クルマ購入の際、昔ならば装備品やグレードの違いだけ念頭に置いていればよかったが、現在は「パワーユニット」の違いがある。普段の利便性からリセールバリューにまで影響を及ぼすのだ。パワーユニット選びが後悔の元凶となる!?
※本稿は2026年9月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年10月10日号
HEVを買って後悔!? パワーユニット選びは後悔の元凶
今のクルマはパワーユニットが豊富だ。売れ筋の乗用車にはHEVが用意され、マイルドタイプを含めると新車販売台数の50%近くを占める。
しかし、購入時に納める環境性能割の税金が2026年3月31日に廃止され、HEVの損得勘定が変化した。
環境性能割の税額は、燃費基準の達成度合いに応じて決められ、HEVが安かったが、それが廃止され、今は同じ車種同士で比べた場合、購入時の純エンジン車との税額の差が縮まった。
純ガソリン車とHEVの価格差は、同じ車種の同等グレード同士を比較して、コンパクトな車種は約35万円、Lサイズの上限は約80万円だ。
税額の違いを引いた実質価格差をHEVが燃料代の節約で取り戻せる距離は、7万~10万kmが多い。コンパクトな車種では、HEVと純ガソリン車の価格差は小さいが、燃費差も小さいから意外に距離が必要。
そうなると1年間の走行距離が5000km以内では、ハイブリッドが実質価格差を燃料代の差額で取り戻せないことも多い。
それでもHEVが多く売られる背景には、イメージがよく、モーターの併用で加速が滑らかでノイズも小さいといった付加価値による。高値で売却できる場合もある。
損得勘定で選ぶなら、1年間の走行距離が1万km以下のユーザーには純ガソリン車を推奨するが、前述の付加価値を重視するならHEVだ。
軽のNAを買って後悔
軽自動車はターボに注目する。
特に全高が1700mmを超えるボディにスライドドアを装着した車種は、車両重量が900kgを超えることも多く、エンジンの負荷が大きい。
そこでターボを選ぶ。走りに大きな影響を与えるターボの最大トルクは、NAエンジンの1.6~1.7倍だから、登り坂や高速道路での余裕が増す。
しかもエンジンの負荷が小さいターボでは、動力性能を大幅に高めながら、WLTCモード燃費は3~8%しか悪化しない。実際の走行では、ターボの燃費がノーマルエンジンより優れていることもある。
さらに軽自動車のターボは価格も割安で、スペーシアカスタムXSターボの価格は、ノーマルエンジンのXSと比べて7万8100円の上乗せに抑えた。ターボにはパドルシフトなども加わり正味価格は6万5000円だ。
ターボの価格アップが大きい車種もあるが、ノーマルエンジンよりも装備を充実させている。売却額が高まることもあり、背の高い軽自動車ではターボを積極的に選びたい。
BEVを買って後悔
BEVでも軽自動車の注目度が高い。軽自動車はセカンドカーとして買い物などに使われ、1回の充電で走れる距離が短くても不満が生じにくいためだ。
軽BEVに注目するのは複数の車両を所有する一戸建ての世帯が中心なので、充電設備も設置しやすい。
ただし、冬にヒーターを使うと、1回の充電で走れる距離がWLTCモードの数値よりも短くなり、予想以上に走れないと、後悔するケースは少なくない。
また、BEVはハイブリッドなどに比べて売却額が下がりやすい。そこで残価設定ローンを使う方法もある。日本車の残価設定ローンは残価を保証しているため、返済期間終了時に車両を返却するなら想定外の不利は生じない。
★後悔しないためのポイント★
・走行距離が1万km/年以内ではHEVだと損することもある
・純エンジン車は加速の滑らかさやノイズで不利になる
・軽ターボは燃費の悪化率が小さくお得
・軽BEVは実走行距離が予想以上に短い
・BEVは売却額が下がる心配があるので価値保全のために残価設定ローンを使う
























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