ランエボはまだ完成していない!? 「ミスターランエボ」が選ぶ歴代最高モデルが想像を超えていた!!

道半ばで消えたランエボXX 目指していたのは車両全体の統合制御

2026年パジェロの復活は多くのファンを喜ばすことに。同時に「ランエボ」の復活を求める声もあがっている
2026年パジェロの復活は多くのファンを喜ばすことに。同時に「ランエボ」の復活を求める声もあがっている

 それは、まさに道半ばだった。だから「マイベスト・ランエボ」を聞かれたとき、実際に存在したランエボV RSやVIII MR、Xを選ぶのではなく、あえて「ランエボXX」と答えたいのだ。それは、自身が想い描いた「こうなってほしかったランエボ」の完成形だからだ。

 ちなみに、ランエボXXへの開発で草案していた技術の一部は、その後、日産GT-R R35型など別の高性能車で実現されていった。もちろん、ランエボとGT-R、自身と日産の間に直接的な関係があるわけではない。

 しかし、世界のハイパフォーマンスカーを見ていれば、各メーカーが同じ技術的な方向へ進んでいくことは自然なことでもある。四輪の駆動力を電子制御する。シャシーを軽量かつ高剛性にする。エンジンやトランスミッションだけでなく、車両全体をコンピューターで統合制御する。そうした流れの先に、私が考えていたランエボXXもあった。

 現在の三菱はアウトランダーPHEVやトライトン、デリカミニなど、SUVやオフロード性能を重視した方向へ進んでいる。それはそれで三菱らしい強みだと思う。

 しかし、ランエボのようなオンロード高性能車が再び登場する日を、今でも心のどこかで期待している自分がいる。もしそんな日が来るなら、ぜひSタイ制御を実装してほしい。当時の技術を知るエンジニアも、今はまだ三菱に残っていると知っている。

最高のランエボは「まだ完成していない」

ミスターランエボと言っても過言ではない中谷明彦氏が思い描く「次のランエボ」。その登場は中谷氏だけでなく、多くの三菱ファンあるいはまだ見ぬ新しいファンも待ち望んでいることであろう
ミスターランエボと言っても過言ではない中谷明彦氏が思い描く「次のランエボ」。その登場は中谷氏だけでなく、多くの三菱ファンあるいはまだ見ぬ新しいファンも待ち望んでいることであろう

 いつか再びランエボのような高性能車が生まれ、その技術が日の目を見ることがあれば、それこそが私にとっての「最高のランエボ」になるだろう。ランエボV RSは、間違いなく速かった。VIII ⅨMRは速さと耐久性を高い次元で両立した。ランエボXは電子制御とSSTによって、次世代の高性能車へ進化した。

 しかし私が一番乗ってみたかったのは、その先にあるランエボだった。それが「ランエボXX」である。実際には存在しなかったクルマだからこそ、そこにはまだ無限の可能性が残っている。私の中では、ランエボはまだ完成していない。

 いつの日か、時代が再び高性能4WDスポーツを必要とすることがあるのなら、そのときに「ランサーエボリューション」という名前が復活し、想い描いたランエボXXを超えるクルマが登場することを願っている。それが、長くランエボの開発とレースに関わってきた私にとっての、マイベスト・ランサーエボリューションになるのである。

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