ダイハツは軽自動車を中心とするメーカーだけに軽商用のハイゼットトラック&バンから、軽クロスオーバーのタフトや軽スーパーハイトワゴンのパイオニアであるタントまで豊富なラインナップを揃える。
加えて仕上がりも多くの車種が使う自動ブレーキの性能を除き、派手さこそないものの、どれも堅実だ。
そのなかで今ひとつパッとしないのがキャストとウェイクである。登場時期の古さというハンデもあるにせよ、販売台数でみても稼ぎ頭のタントやムーヴに対して水をあけられている。なぜ、この2台はパッとしないのか?
文:永田恵一、写真:ダイハツ
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アクティバなど廃止も存続したキャストの人気は?
キャストは、2015年9月に現行ムーヴをベースに、「生活を彩る自分仕様の軽自動車」というコンセプトを持つ個性派向けの軽ハイトワゴンとして登場。
標準の「スタイル」、スポーツモデルの「スポーツ」、最低地上高を上げるなどした軽クロスオーバーの「アクティバ」という3タイプをラインナップしていた。
そのためキャストの直接的なライバル車はスタイルとスポーツがホンダ N-ONE、アクティバはスズキ ハスラーと、重要な使命を与えられたモデルでもあった。
なおキャストは自動ブレーキの性能向上を中心としたアップデートを受けながら、新型タフトの登場もあり、2020年3月にアクティバとスポーツはカタログ落ち、現在はスタイルのみが販売されている。
キャストの登場時の月間販売台数が5000台だったということを頭に置いて、販売台数を振り返ってみたい。
今年はアクティバとスポーツのラインナップ落ちに加えてコロナウイルス禍の影響も加味するとして、パッとしないイメージで見ると意外に売れていることに驚く。
特に2016年に関しては、キャストの初期のCMは前向きな曲が流れ、若い人気タレントを起用した頭に残るものだったことも販売に好影響を与えていたのかもしれない。
なぜキャストはパッとしないのか
キャストは冒頭に書いた自動ブレーキの性能とエンジンに古さを感じるところ以外は、現代の軽自動車らしく大きな不満を感じる部分はない。
その割にパッとしたイメージがない理由として浮かぶのはターゲットとしたN-ONEとハスラーが、良くも悪くも個性の強いモデルなのに対し、キャストは2台に対し全体的に個性が薄く感じられることだ。
そのため新車効果がなくなる3年目あたりになると、特にハスラーの本家ならではのイメージの強さなどが再び際立つようになり、結果的にキャストは地味な存在となったように思う。
また、個性派向け軽自動車といえばダイハツ社内で2016年にムーブキャンバスが登場し、意外に売れていることも、キャストの地味なイメージを強めているのかもしれない。
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