なぜ軽自動車にはない? ナンバープレートの「封印」にどんな意味があるのか?

封印を紛失・破損した場合の再発行の方法

もしナンバープレートの封印が破損してしまったらどうすればいいのか?
もしナンバープレートの封印が破損してしまったらどうすればいいのか?

 ところで自動車のナンバープレートの封印は法律上義務なので、もしナンバープレートの封印がない、あるいは破損している場合はそのままでは公道を走らせることができないので再封印する必要がある。

 ナンバープレートを再交付する場合、「盗難・紛失」による場合と「破損・汚損」による場合で手続き方法が異なり、ナンバープレートを返納できるかどうかで差が出てくる。

 紛失や盗難にあった場合はそのナンバープレートを返納することができ、「番号変更」という手続きを取ることになる。

 事故などによる「破損」や汚れがひどい「汚損」による再交付の場合は、同じ番号で再交付することができる。ただし、文字の判別が不可能でそのナンバーを正確に読めない場合は「番号変更」となる。

 再封印の手続きは運輸支局、自動車検査登録事務所で実施できる。車検証の住所を管轄する運輸支局以外でも可能だが、封印本体は車検証の住所を管轄する運輸支局の刻印が入ったものが使われる。

再封印の手続きの流れは…

1/再封印申請書を運輸支局の販売所もしくは国土交通省のウェブサイトからダウンロードして用意する
2/再封印申請書を作成し受付に提出し、経由印が押された申請書を受け取る
3/ナンバープレート交付窓口に「申請書」「車検証」を提出する
4/封印の台座を購入する
5/封印取付場所に車両と封印の台座を持ちこみ、係員に封印を施してもらう

※国土交通省ウェブサイトはこちら

 ナンバープレートの再封印に必要な書類は、再封印申請書、車検証、印鑑(認印可)の3点を用意する。

 代理人が再封印の手続きを行う場合でも基本的に委任状は不要とのこと。再封印の手続きは各運輸支局によって若干の違いがある場合もあるため、代理人が手続きを行う場合は事前に確認してほしい。

 再封印の費用はビスと封印の台座購入代のみなので200円以内で収まるようだ。

 ただし、一定期間有効な仮ナンバーを取得して公道を走らせて移動させる、あるいはキャリアカー(トランスポーター)に乗せて運ぶにはそれなりの費用がかかるのでチェックしておきたい。

軽自動車にも封印をするべき?

軽自動車のナンバープレートも封印するべきか?
軽自動車のナンバープレートも封印するべきか?

 このように、封印については、普通/小型車と軽自動車で法律的に取り扱いが異なる。

 普通/小型車は車両情報と所有者情報を運輸支局へ「登録する」ことに比べて、軽自動車のナンバープレートを発行するには軽自動車検査協会へ「届出」をするだけで、封印の有無だけでなく、手続きの工程も軽自動車のほうが簡略化されている。

 軽自動車の規格が生まれたのは1949(昭和24)年というから、第二次世界大戦後の日本はまだ復興途上。

 高嶺の花だった自動車を個人で購入・所有することは遙か遠い夢に近く、頑張って働けばようやく購入できる「軽便な」クルマとして扱われていた経緯がある。

 封印には国が自動車の所有者を証明する役割もあり、先に触れたように登録車が財産(動産)と考えられるからだが、軽自動車は登録車に比べて規格によって大きさが小型に設定され、車両価格が抑えられていることもあって、国としては「財産」としてではなく、あくまで道具に近い感覚で捉え続けている証左といえるだろう。

世界のナンバープレートに封印はあるか?

ドイツのナンバープレート。サイズは横52cm、縦11cm。Euroのマークがあるこのナンバープレートは、EU圏内及びスイスにおいて利用可能なことを示している。「D」は車両の所在地がドイツ(Deutschland)を示している
ドイツのナンバープレート。サイズは横52cm、縦11cm。Euroのマークがあるこのナンバープレートは、EU圏内及びスイスにおいて利用可能なことを示している。「D」は車両の所在地がドイツ(Deutschland)を示している

 最後にナンバープレートの封印を採用している国は日本以外にあるのか、念のため国土交通省に問い合わせてみると「データはありません」とのこと。

 いろいろ調べたが、どうやら日本独自の施策といえるようだ(専用のネジ留めが用意されている国はあるようだが)。

 ナンバープレートの扱いについても、日本が特別(特殊?)のようで、たとえば米国では所有車の売却など登録が終了すれば、自分で外して処分あるいは保管してよいで、図柄などから蒐集の対象にもなっているのだから、取り扱いのスタンスがまったく異なる。

 文化の違いといっては身も蓋もないとはいえ、封印が軽自動車に施されない件もそうだが、どこか古めかしい“儀礼的な”雰囲気を感じてしまうのは筆者だけだろうか。

【画像ギャラリー】こんなに違いがある!「世界のナンバープレート」を写真で見る!

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