2020年7月中旬、トヨタが国内で販売するアクアやレクサスなど一部車種の「新車価格を5万~10万円値下げする」方針を打ち出した、という報道が流れた。
これはいったいどういうことなのか? 新車価格を改定し値下げするのか、それとも新車販売時に行われている値引き額が拡大することなのか? 流通ジャーナリスト、遠藤徹氏が販売の現場を徹底取材した。
文/遠藤徹
写真/ベストカーweb編集部
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首都圏のトヨタ、レクサスディーラーを徹底取材!
「トヨタが6~9月の4ヵ月間に新しい販売奨励金制度を導入し、対象モデルの乗用車を中心に新車価格を5万~10万円値下げする」という報道があった。
この事実関係がどうなっているのか首都圏を中心としたトヨタ系列店、レクサス店で取材すると、興味深い事実が判明した。
メーカーであるトヨタが、ディーラーのトヨタ全系列店及びレクサス店に対して、新しい販売奨励金企画を策定して、新車や中古車の販売促進策を呼びかけているのは確かなようだ。
しかし、新車価格の5万~10万円の値下げではなく「売った台数に応じて販売店に一定額の値下げ原資を渡す販売奨励金」というのが正解である。
トヨタはこれまで販社(ディーラー)をバックアップするため、値引き資金に活用する販売奨励金制度を行ってきたが、ここまで大がかりなものは行われてこなかった。
これまでは販社(ディーラー)が独自に資金を拠出し、需要の多い期間にキャンペーンを展開してきた。
メーカーであるトヨタがコロナ禍による販売減を少しでも食い止めたいという特別な思いが込められているのである。
また、トヨタ系列店とレクサス店ではかなり内容が異なっていることもわかった。
トヨタ系列店では6~9月の期間中に新車を成約し、2020年12月末までに登録した場合に残価設定クレジットおよび残価設定2回払いを利用すると販売奨励金拠出の対象となる。
その内容はトヨタカードを利用すると通常の1.5倍、最高8万円分のポイントがつく。最高12万円分がキャッシュバックされる。
ナビ、ETC、ドライブレコーダー、安全対策デバイス、コーティングなどメーカー&ディーラーオプション&付属品などの用品を装着すると最大25万円ぶんをサービスする。
下取り車がある場合は、査定額に対して5万円をプラスして買い取る、などとなっている。
2020年12月末までの登録と期間限定としているのは、ハリアー、ヤリスクロス、RAV4PHVなどの新型車が年内の登録が間に合わないケース(2020年7月末時点)が生じる可能性があるため。これらの車種は対象外になりそうだ。
いずれも新車であるが、これ以外にトヨタの「認定中古車」というのがある。これらはトヨタカードの利用だと新車の半分に減額される。
用品装着はないので、こちらのサービスもない。下取り車の5万円上乗せもほどんどないと考えてよい。
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