トヨタ以外のメーカーではどうなっている?
こうしたトヨタの販売奨励金制度に対して、他社はどのような戦略をとろうとしているのか?
実はメーカー主導のこうした増販キャンペーンは、もともと日産以下各社が毎年のように2~3月の決算セールをはじめ、6~7月夏期ボーナスセール、9月中間決算セール、11~12月の年末セールなどを例外なく実施しているのである。
他社が行う2020年9月末までのキャンペーンは多くが車両本体の値引き拡大、ナビなど用品のサービスや割引セール、キャッシュバック、低金利残価設定クレジット、下取り車の買取り価格上乗せ、などとなっている。
これに目玉となる新規、フルモデルチェンジ、マイナーチェンジ、一部改良などニューモデルの発表展示会、試乗会などで週末フェアを盛上げ、ロングランのキャンペーンを成功させようとの作戦である。
コロナ禍での新車販売の大幅なマイナスをこの期間のセールで1台でも多く挽回したいというのは各社の悲願であり、これによってかつてない規模での乱戦が展開されているのは間違いない。
今回は、これまでキャンペーンに加わらなかったトヨタが久しぶりに戦線に加わるということなのである。
証言1/首都圏トヨタ店営業担当者
「トヨタが6~9月のキャンペーンで5万~10万円値下げするとの報道があったが、これは間違いだ。価格は販売店が決めるのが建前で、メーカーは希望小売価格を傘下のディーラーに示し、それをもとに販売店が決定する。
したがって値下げするとしたら販売店となるが、そのような施策はしていない。ただ6~9月の期間にトヨタは傘下販売店に販売奨励金制度を設定している。
これは残価設定クレジットや残価据え置き型制度を利用したユーザーに対して、この間に成約し12月末まで登録するとトヨタカード利用者への1.5倍ポイント還元、最高25万円の用品サービス、下取り車を5万円上乗せして買取りする、などを実施している。
この資金はメーカーのトヨタが拠出するので、これが値引きの上乗せ資金に使われる可能性はあるが、値下げなど価格の引き下げを実施することはない」。
証言2/首都圏レクサス店営業担当者
「レクサス店も6~9月にトヨタ主導の販売奨励金制度を実施しているが、トヨタ系列店に比べると規模が小さい。
残価設定クレジットと残価据置型プラン(2回払い)での購入希望者にレクサスカード利用者にポイント還元を1.5倍、最高8万円ぶんを提供するというもの。
これだけでトヨタ系列店の用品最高25万円サービスや下取り車の5万円上乗せはない。
ただ独自企画で用品サービス、下取り車の高価格上乗せ買取りは通常月でも行っている。車両本体からの値引きゼロというのは契約書上では現在も堅持している」。
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