便利? 使いづらい??いまいち大成しない「観音開きドア」のクルマ4選

■2代目サターン SC2 3ドアクーペ(1999年)

 GMの1ブランドだったサターンは、クルマ自体は普通ながら、「値引きのないワンプライス販売、来店者にディーラー側からは声をかけない」といったアメリカでは革新的な販売方法を持ち込み、アメリカでは成功を収めた。

 サターンはミドルクラスのSシリーズでスタートし、Sシリーズが2代目モデルだった1997年にアメリカと同じ販売方法で日本に進出。SシリーズにはSL/セダン、SW/ステーションワゴン、SC/3ドアクーペがあり、1999年にはSCに右側/フロントドアのみ、左側/センターピラーレスの観音開きドアとしたSC2 3ドアクーペを追加した。

クーペモデルにありがちな、後部座席の乗降の悪さを解消しようと採用された観音開きドア。そのため左側のみが開くようになっていた

 SC2 3ドアクーペは、アメリカではバッグなどをリアシートに置く際、日本では意外に広いリアシートのアクセス性向上を目的に左側のみ観音開きドアを採用。

 しかし、日本ではクーペで観音開きドアという以前にサターンの販売方法が受け入れなかった点、クルマ自体に目立つところがないだけに、サターンSC2 3ドアクーペの価格はATで185万5000円と輸入車としては安かったものの、「ライトなクーペが欲しいなら、セリカやシルビアのおとなしいエンジンを積んだグレードのほうが安くて、安心」というのが決定的で、サターンは全般的に鳴かず飛ばずで、2001年にサターン自体が日本から撤退してしまった。

■ミニ クラブマン(2代目モデル、2008年)

 BMW傘下になってからのミニは、2代目モデル以降多くのボディタイプを持つようになった。

 ミニのボディタイプ増加は2代目モデルでは増殖といっていいくらいで、クラブマンは3ドアのミニをホイールベースも含め拡大し、シューティングブレイク(主に2人の乗員で狩りに行くため、リアシートは荷物置き場として道具などを積むクルマ)的なモデルとしたものだった。

 ミニクラブマンは、ドアは3ドアのミニを延長したといっても、普通のリアドアを付けられなかったのか、3ドアとなることも多いシューティングブレイクの雰囲気を出すためだったのか、ドアは右側/センターピラーレスの観音開きドア、左側/フロントドアのみを採用。さらにミニクラブマンはバックドアも観音開きだった。

右側のみ開くようになっていた2代目クラブマン。そのせいで、日本での使い勝手はイマイチだった
左側は後席のドアはなし。リアハッチも観音開きで、これは現行型も引き継いでいる

 ミニクラブマンは片側を観音開きドアにするなら、日本ではリアシートへの乗降の際の危険防止のため右側ではなく左側にして欲しかったのに加え、ミニのボディタイプ増殖もありクラブマンは目立たず、あまり売れなかった。

 しかし3代目モデルに移行し、2代目モデルほどのボディタイプはラインナップされなくなった現行ミニでも、クラブマンはミニクロスオーバーの最低地上高を下げるなどしたステーションワゴン的なモデルとして継続。

 人の乗り降りのためのドアは普通の左右×前後となったが、バックドアは観音開きドアが継承されている。

【画像ギャラリー】個性的は強かったけど 販売台数には結びつかなかった観音開きドアのモデルたち

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