■ホンダ フィット1.3ベーシック(155万7600円)
ホンダ「フィット」はフロントピラー(柱)の配置と形状を工夫して、斜め前方の視界を先代型に比べて向上させた。ボディ側面の形状も水平基調になり、側方と後方の視界もいい。従って前後左右ともに見やすい。
視界の優れたクルマでは、車両の周囲に潜む危険の早期発見が可能で、ボディ形状としての安全性が高い。初心者や高齢のドライバーにも適する。ちなみに今は、30年ほど前に比べると視界の悪い3ナンバー車が増えた。安全装備は進化しても、ボディ形状としての安全性は悪化している。その意味でもフィットは貴重な車種として注目される。
またフィットは、全長が4000mm以下、全高は立体駐車場を使える1550mm以下のコンパクトカーでは、後席と荷室が最も広い。後席の足元空間はミドルサイズセダン並みだから、運転しやすくて経済的なファミリーカーとしても使える。
衝突被害軽減ブレーキは、歩行者だけでなく、夜間での検知や自転車にも対応する運転支援機能を備える。良好な視界、後席と荷室の広さ、さらに現行型では走行安定性と乗り心地も向上したから、選ぶ価値を高めた。
■マツダ マツダ2 15S(157万3000円)
マツダ「マツダ2(旧デミオ)」は、ドライバーと助手席を優先して開発されたコンパクトカーだ。インパネなどを上質に造り、前席の座り心地も、サポートも含めて良好だ。前席と前輪の間隔を十分に確保することで、ペダル配置も最適化した。
外観には引き締まり感が伴い、天井を後方に向けて下降させ、リヤゲートの角度も寝かせている。そのために後席は頭上空間が狭めで足元も窮屈だ。荷室も狭めだが、前席は快適だから2名で乗車する使い方に適する。
ドライバー本位のコンパクトカーとあって、走行性能にも重点を置いた。他メーカーのコンパクトカーでは、ベーシックなガソリンエンジンを1Lから1.3Lに設定することが多いが、マツダ2は1.5Lのガソリンとクリーンディーゼルターボだ。
走行安定性も優れ、操舵感も正確だから、運転を楽しみたいユーザーにも向いている。車両自体の性格がスポーティで、今日のマツダのクルマ造りを反映させた。
安全装備は、衝突被害軽減ブレーキの夜間歩行者対応を含めて相応に充実するが、作動速度の上限は80km/hだ。それ以上の速度域で車両に反応するスマートブレーキサポートや運転支援機能は、1.5Lガソリンエンジンの場合、15Sプロアクティブ(169万4000円)にオプション設定され、15Sプロアクティブスマートエディション(179万8000円)には標準装着となる。マツダ2は安全装備を相応に充実させると価格が高まりやすい。
■スズキ スイフト 1.2XG(154万円)
スズキ「スイフト」は「XG」の全長を3845mmに抑え、車両重量も890kgと軽い。軽快な運転感覚が特徴だ。ボディが軽いために挙動の収まりもよく、走行安定性も優れている。
ボディが短いこともあり、居住性は前席を優先させた。後席と荷室は狭めだ。後席側のサイドウィンドウも小さいため、後方視界もあまりよくないが、ボディはコンパクトで最小回転半径も4.8mに収まる。狭い道や駐車場でも扱いやすい。
衝突被害軽減ブレーキは、先進的ではないが、歩行者を検知できて誤発進抑制機能も装着した。全車速追従型のクルーズコントロールも採用する。突出した機能はないが、バランスよくまとまり、日常的に安心して便利に使えるコンパクトカーとなっている。
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