世界的潮流の電動キックボード どこを走るのが正解?【クルマの達人になる】

 欧米を中心に普及が進んでいる電動キックボード。サイズ的に持ち運びが容易で、目的地近くまでクルマやバスで行き、残りワンマイルを移動するために使うアイテムとして注目されている。

 しかし日本では、電動キックボードが「原動機付自転車(原付)」と位置付けられるため、道路運送車両法に基づく保安基準(ウインカーやバックミラー、ナンバー灯などを付ける)を満たしたうえで、運転免許証を携帯し、ヘルメットを着用することで公道走行が認められている。加えて、現在走れる場所は車道に限定されている。

 そんな現行の規制が、新たな交通手段にそぐわないとの声が事業者などから上がり、段階的に緩和しようとしている。それが事業者が認可を受けた区域に限り、自転車専用通行帯でも走れる特例措置案だ。

 今回はこの特措案と、電動キックボードが新たな移動手段として受入れられるために必要な規制とはどのようなものなのかについて解説、提案していく。

文:国沢光宏
写真:Adobe Stock(Oleg@Adobe Stock)
ベストカー2020年10月10日号

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■特措案でどう変わる!? 将来を見据えて規制はどう変えるべきか!?

 海外へ行ったことのある人には説明するまでもないが、今や電動キックボードを都市部の移動手段として活用してない国など皆無に近い。環境にやさしく便利だからだ。

 ひるがえって我が国を見ると「保安部品付けて原付として使うならいいよ」、という状況。信じられないことにあんな不安定な乗り物で「車道を走れ!」ってことです。車輪の小さい電動キックボード、目地を通過するだけでバランス崩す。急ブレーキや急転舵だって難しい。車道なんか走ったら死屍累々は確実だ。

 かといって歩道を走らせるのも危険。現在販売されてる電動キックボードの最高速は25〜40km/h。私が持っているセグウェイの『ナインボット』(レンタル業者も多数使ってます)は25km/h出る。前述のとおり急ブレーキも急転舵も難しい。

 これを良識のない人間が歩道で走らせたら、子供やお年寄りをハネる事故が多発することだろう。電動キックボードが普及するのは、欧米のような自転車専用道路があったり、交通量が少なかったりする道路事情か、新興国のように危険より効率を優先していいかのどちらかでしょう。

段差や溝に弱く、自転車ほどブレーキも効かない電動キックボード。たまにノーヘルで乗っている人もいるが違反だ。保安部部品以外にも、運転免許証の所持、自賠責保険への加入、軽自動車税の納税が必要(Andrey Popov@Adobe Stock)

 しかし今や世界的な流れ。警察は「鎖国」を決め込んできたけれど、それでいいワケがない。遅きに失したが電動キックボードについて初めての対応策を出してきたのだった。「特別措置」という位置づけになり、内容を見ると「電動キックボードのレンタル事業者を念頭に自転車専用道路の走行を認める」というもの。

※編集部注:今回の特措案の対象は、電動キックボードを使ったシェアリングビジネスを展開する事業者が対象で、個人の所有する車両は対象外のため、今までどおり原付扱いで車道を走ることになる。

 ちなみに自転車専用道路とは、自動車が入ってこられない自転車用の高速道路のような存在。どこにあるかといえば、公園の中や河原、海岸沿いのようなロケーションです。ここまで読めば”国”が考えている大雑把な状況をイメージできると思う。

こちらが自転車専用道路だが、日本ではまだ整備されている道路は少ない。道路の左側に矢印+自転車のイラストを描いた自転車ナビマークとは異なる(Satoshi@Adobe Stock)

「開国」を迫られているけれど、やりたくない。だったら出島のような場所を確保し、そこだけで許可しましょうということ。本気で開国する気なんかない。しかも「出島」の中ですら、車両は原付のような灯火類が必要となり、当然ながらナンバー取得。運転者も原付免許の義務づけです。

 さらに最高速は20km/hのリミッターで制限される。公園の管理事務所などのレンタル自転車を考えてもらえばいい。すでに沖縄などでナンバー付き電動キックボードをレンタルしてくれる業者があるため、走れる場所を加えただけと言ってよかろう。なのに電動キックボード解禁になったような伝え方をする大手メディアもあるから驚く。残念ながら世界的な課題になっている「ラスト1マイル」(公共の交通機関から先の移動手段)なんか警察は考えてもいないということ。

 どうすればいいか? 電動キックボード歴3年の私は、海外のように自転車扱いとし、一方通行などの縛りなし。免許も不要(ただ登録ナンバーは義務付け)。そのうえで制限速度を10km/h(ちょっと早めのジョギングくらい)に抑える。

 電動キックボードの運動性能を考えたら10km/h以上になるとリスクだらけ。一方、10km/h出れば、歩くと結構時間かかるラスト1マイル(タクシーだと1メーターのイメージ)を10分で移動できちゃいます。必要にして十分な移動手段だと思う。

※編集部注:2020年10月中旬以降に実証試験が行われる計画(東京の西新宿地区など)となっており、自転車専用レーンでの走行が認められることになる。

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