海外ではもはや常識!? コロナ禍で導入されつつある「オンライン商談」の国内ディーラーでの現状

海外ではもはや常識!? コロナ禍で導入されつつある「オンライン商談」の国内ディーラーでの現状

 新型コロナウイルス感染症のために、公共交通機関を避けてクルマ移動のニーズが増えている。しかし、クルマを買うのに人が集まるようなところへ出向くのは敬遠されがちだ。

 そこで自動車販売でもオンライン販売のニーズが高まっている。ディーラーまでの距離が遠く、査定などに時間がかかる北米ではオンライン販売が大いに活用されている。

 ディーラーのホームページにアクセスするだけでチャットウィンドウが開き、オペレーターとチャットで商談を始めることができる。

 中国などでもオンライン商談やオンラインを活用した個人売買が盛んだ。

 そこで日本のディーラーでの現状を小林敦志氏にレポートしてもらった。

文/小林敦志、写真/Adobe Stock(Nomad_Soul@Adobe Stock、Pormezz@Adobe Stock、naka@Adobe Stock、ijeab@Adobe Stock)

【画像ギャラリー】コロナ後の世界の常識となるのか? 日本でも導入されつつある「オンライン商談」を写真で考察


■コロナ以前からオンライン化されつつあった欧米との差も 日本固有のハンコ文化もネックに

アメリカなどでは一般化しているオンライン商談が日本でも導入されつつある(Pormezz@Adobe Stock)
アメリカなどでは一般化しているオンライン商談が日本でも導入されつつある(Pormezz@Adobe Stock)

 ここのところ新車販売業界でトピックとなっているのが、“オンライン商談”。新型コロナウイルス感染拡大防止という側面で、いま採り入れる新車ディーラーが増えている。

 誰でも知っている、メッセージアプリを使った簡易的ともいえるものや、双方向でお互いをパソコン画面に映し出して商談ができる、WEB会議システムを採用したものなど、その展開方法については、ディーラー個々で異なっているのが実状。

 あるディーラーでは、自社ウエブサイト上の専用フォームにてオンライン商談を申し込むと、登録の必要のないオンライン商談専用システムのIDとパスワードがメールで送られてきて、申し込み時に予約した日時にオンライン商談を行うことができるようになっていた。

 現場のセールスマンに話を聞くと、「お仕事がご多忙であったりして、なかなか店頭に足を運べないお客様や、いままではあまり接触できなかった新しいタイプのお客様への販売促進ツールとしては有効のようですが……」と、オンライン商談には懐疑的な見方をしていた。

 自動車先進国のアメリカや、世界一の自動車市場となっている中国などでは、オンラインを使っての新車購入は半ば当たり前のように行われている。

 ただアメリカは日本をはるかにしのぐレベルで日常生活のデジタル化が進んでいるし、中国はすでにキャッシュレス社会が定着しているので、オンライン商談の導入について社会インフラの“地ならし”が行われていたことで、日本とは大きく導入環境が異なっている。

 「オンライン商談で契約がまとまったとしても、紙ベースの注文書への署名捺印や、もろもろの書類への署名もいただかなければなりません。そのため契約へ向け最終的な詰めの交渉をする時には、結果的に店頭にきていただくように案内するようにしております。

 契約後には印鑑証明など登録手続きに必要な書類をお持ちいただくことにもなりますので、現状のオンライン商談は“商談時の接触回数を減らす”効果ぐらいしかないのが現状です」と話してくれた。

次ページは : ■やはり最終的には人と人……オンラインでは信頼関係構築に支障が

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