2019年10月にシトロエン ベルランゴとプジョー リフターの限定車導入され、フレンチMPVへの脚光が高まる絶好の機会となっている。
特に国産ミニバンよりも、同じフランスのルノー カングーと比較されることも増えてきた。家族のためにミニバンを買いたいけれど、つまらないクルマには乗りたくないというユーザーは少なくないだろう。
最新のフレンチMPVは、その期待に応える日本でも扱いやすいモデルなのか。それぞれの特徴に迫ってみた。
文/大音安弘、写真/CITROEN、PEUGEOT、RENAULT、トヨタ
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カングーに加えプジョー/シトロエンも日本に参入
そもそも輸入車MPVは、長い間、ルノー・カングーの独壇場であった。そのカングーは、コマーシャルバンの乗用モデルである。
意外にも、その素性は働くクルマなのだ。日本には、2002年より初代モデルの導入を開始。
愛らしいスタイル、取り回しやすい5ナンバーボディ、見た目より広く使い勝手に優れた機能性など国産ミニバンにはない魅力で注目を集めた。
特にデザインとカラーの人気は高く、日本人がイメージする洒落たフランスのイメージにピタリと符合。フランス車好きだけでなく、趣味人からも愛されるようになり、その盛り上がりが公式イベント「ルノー・カングー・ジャンボリー」を生み、育んでいくことになった。
そんなカングーも現行型となる2代目が2009年に上陸した当初は、サイズアップや“ゆるキャラ”的デザインが賛否を呼んだが、使い勝手の向上に加え、個性的なデザインの支持者も増えたことで、よりユーザー層を広げることになる。
このようにコマーシャルバンから派生したMPVは、VWキャディ(ドイツ)やフィアット クーボ(イタリア)など各メーカーもラインアップしているが、昨年よりプジョーとシトロエンが日本参入を決め、今年8月よりシトロエンの「ベルランゴ」がカタログモデルへと昇格し、本格販売が開始されている。
話をシンプルにするために、シトロエン ベルランゴとプジョー リフターの関係性から説明しよう。両者は、同じPSA傘下のブランドにあるため、共通のプラットフォームを採用し、開発。
このプラットフォームがユニークで、プジョーの最上級車「508」にも使われる最新の「EMP2」をフロント側のみ採用。後部は、従来型のものをブラッシュアップさせたものという特徴的なもので、ラゲッジスペースの機能性確保が目的と思われる。
このため、内装や機能など、共通する部分も多い。ただ足回りやデザインなど、メーカーの特色が現れる点では、しっかりと差別化が図られている。
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