■使い勝手のいいシートはミニバン勢が最強だ
次は実用性の優れた使い勝手のいいシートについて考えたい。さまざまなアレンジが可能で、多人数で楽しく乗車したり、荷物を積む時に便利に使えるシートが好ましい。
まずは「日産セレナ」が注目される。5ナンバーサイズを基本にしたミニバンの中では、3列目のシートを最も快適に仕上げた。1/2列目も頭上と足元の空間が広く、座り心地も快適だから、ミドルサイズのミニバンでは居住性が一番優れている。
シートアレンジも使いやすい。2列目の中央部分を1列目の間までスライドさせると、収納設備として使える。この状態では2列目の中央部分が通路になるから、2/3列目の間を移動しやすい。
さらに2列目には横方向のスライド機能も備わり、中央の通路を埋めるように内側へ寄せると、スライドドアの間口を広く確保できる。いろいろな使い方が可能だ。
コンパクトな2列シート車では、「ポルテ&スペイド」の助手席に注目したい。前後に700mmのスライドが可能で、後方に寄せると足元空間を大幅に広げられる。足をゆったりと伸ばして座ることが可能だ。
しかも左側のドアはスライド式で、開口幅が1020mmと広い。床面の地上高は300mmと低いから、高齢者が体を捩らずスムーズに乗り込んで助手席に着座できる。
助手席の背もたれを前方に倒すとテーブルになり、軽い食事をする時などは便利に使える。
また助手席の背もたれを倒した状態で前方にスライドさせ、後席の座面を持ち上げると、車内の中央がフラットで広い空間になる。スライドドアから車内の中央に荷物を積むことも可能だ。
前述のようにスライドドアは開口幅がワイドで床が低いから、収納性も優れている。このようなポルテ&スペイドは、子育て世代のユーザーに最適だろう。助手席を畳むと、後席の足元空間が広がり、チャイルドシートに子供を座らせる作業がしやすい。
前席がセパレートシートのFグレードであれば、後席から降車しないで運転席へ移動できる。
「フリードプラス」のシートも便利だ。後席の座面を持ち上げて、背もたれを前側へ倒すとフラットで広い空間に変更できる。専用のボードを使うと、車内の中央から後部がフラットなスペースになるから車内の宿泊も可能だ。
しかもフリードプラスは荷室の床が低いから、フラットな空間の下側が大容量のアンダーボックスになる。このように背の高い車種には、使い勝手の優れた便利なシートが多く見られる。
コメント
コメントの使い方