知ってそうで知らないHV車の燃費をよくするアクセルワーク術

ハイブリッド車は、高速走行では力を発揮しにくい

 あまり知られていませんが、クルマの燃費表示が、従来の「JC08モード」から、世界的な新たな燃費基準である「WLTCモード」へと切り替わったことで、ハイブリッド車の強みと弱みが明確になっています。

 ハイブリッド車の代表例、プリウス(Eグレード、2WD)のWLTCモード燃費は、市街地モード:29.9km/L、郊外モード:35.2km/L、高速モード:31.2km/Lと、高速モードの方が郊外モードに比べて、燃費が落ちています。これはプリウスやトヨタ車に限った話ではなく、他のハイブリッド車、PHEV車でも、同様の傾向です。

 一般道を時速30~60kmで流す程度であれば、ハイブリッド車の燃費の良さは際立ちます。クルマはある程度は惰性で進むため、エンジンを使わなくて済み、その結果、驚異的な燃費をたたき出すこともあります。

 しかし、高速道を時速100km+αで巡行となると、そういうわけにはいきません。クルマが前に進むには、空気抵抗、走行抵抗、駆動抵抗と釣り合う駆動力が最低限必要となります。

 厳密にはシステムよって違ってきますが、高速走行のような、常に駆動力を必要とするようなシチュエーションでは、エンジンの力も必要とするため、ハイブリッド車のよさを感じることはできなくなるのです。ハイブリッドシステムは、市街地や郊外のような中低速で移動するシーンでこそ効力を発揮するシステムなのです。

カタログへの掲載が義務化されている燃料消費率(国土交通省審査値)、WLTCモードは実際の走行条件に近い状態で測定されるため、これまでの計測方法よりも実燃費を推定できるとされている
カタログへの掲載が義務化されている燃料消費率(国土交通省審査値)、WLTCモードは実際の走行条件に近い状態で測定されるため、これまでの計測方法よりも実燃費を推定できるとされている

ゲーム感覚で燃費改善を楽しんでみては!?

 アクセルペダルの操作の仕方で、燃費の数値は面白いほどに変わってきます。それには、メリハリの効いた操作と、ハイブリッドの動力伝達の特徴を抑えた運転が求められます。集中力が必要となりますが、良い燃費が出せると、なんともうれしい気分にもなり、なおかつ楽しむこともできます。

 筆者は直近だと、新型ヤリスハイブリッド(HYBRID Z 2WD)にて250kmほど走行し、実燃費33km/Lを出せました。カタログにあるWLTCモード燃費は35.4km/L(市街地モード35.5km/L、郊外モード38.8km/L、高速道路モード33.6km/L)ですから、我ながら頑張ったと思っていましたが、40km/L近い数字をたたき出す方もいるそうです。上には上がいたと、衝撃を受けました。

ヤリスハイブリッドで、WLTCモード燃費35.4km/Lを大きく超える、40km/Lに近い燃費をたたき出す猛者もいる
ヤリスハイブリッドで、WLTCモード燃費35.4km/Lを大きく超える、40km/Lに近い燃費をたたき出す猛者もいる

 アクセルワークの工夫で、カタログ燃費をこえることができるか、ゲームのように楽しみつつドライブをするのも、面白いかもしれません。

「運転テクニック」の人気記事を見る

「D」に入れっぱなしは大間違い【正しいD、L、Sレンジの使い方】

 AT車を下り坂を走っている時、Dレンジに入れてフットブレーキばかり使っていませんか?   また、ATの寿命を延ばしたいからとDレンジに入れっぱなしの人いませんか?燃費をよくしたいから、Nレンジに入れて走らせる人いませんか?  ATには正し…

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

ベストカー12.26号 価格590円 (税込み)  あの「ジャパンモビリティショー2025…