FFとFRの違いはノコギリの“押し引き”に似ている!!
ノコギリで木を切っているとき、押したときに刃が引っかかって、ノコギリ本体が行き場を失い、歪んだ経験ありませんか? それがFRなんです。
ノコギリを引くときはFFと同じように引っ張られ、押すときはFRのように後ろから押されているのです。
FRの場合、引っかからず押した力が伝わったときはスムーズに走り出しますが、少しでも前の方で抵抗があると滑りやすい雪道やアイスバーンでは後輪が空転し、ノコギリのようにお尻が左右に振れてしまうのです。
もともと後輪荷重が前輪に比べて少ないので、簡単に力が逃げてこのように不安定になりやすいのです。
そこで、現在の車には『トラクションコントロール』が装備されていて、空転を最小限に電子制御してくれるので何事もなかったかのように走り出します。
でも同じ条件だと、FFなら電子制御の力を借りなくてもスムーズに走り出せる確率は高くなります。つまり、燃費も良くなるのです。
「雪道の登り坂」でもFFのほうが有利?
では、登り坂の雪道ではどうでしょう? その昔「ベタ踏み坂」というCMキャッチがありましたが、雪道では当然禁物です。
しかし、勢いをつけなくては登れないような路面の坂もあるわけです。そういう場所では後輪に荷重がよく載るFRが有利、という人がいますがボクの経験ではやはり前輪荷重のFFが有利と思います。
どうしても前輪がスリップして登れない坂なら、方向を反対にしてバックで登ればいいのです。よりフロントに荷重が載ります。勢いをつけたベタ踏み運転は絶対にしてはいけません。登りきれたとしても止まれない危険性が高いからです。
どうでしょう? FRに乗っているあなた。雪道に行く気力を失いましたか? いや、FRを買う人は逆に雪道に行きたいはず。ボクもそうでした。F3に出場している頃、AE86を買って雪道によく出かけました。アクセルで車の向きを変える練習のためにね。
FRで雪道を走るのはとても楽しいです。後ろから押す力を上手にコーナリングに生かすことで、ドリフトしなくても気持ちよく曲がります。FFの切って引っ張って曲がる、とは根本的に異なる楽しさがFRにはあります。
特に、現在の車はトラクションコントロールやABSが優れているので、車の性能が運転をサポートしてくれます。
後輪駆動車の雪道運転における注意点は?
ただし、覚えておいてほしいことは、5年以上古いスタッドレスタイヤは履かない。チェーンをつけたときは後輪のグリップが上がるので、コーナーでグリップの低いフロントを押し出して膨らむ危険性があること。これが雪道でのFRの注意点。
FFではフロントにチェーンを装着するのですが、ここで注意したいのは下り坂。特に凍結していたりすると、前後のグリップ力差が極端に異なるので、簡単にスピンモードに陥ります。急のつくハンドル、アクセル、ブレーキ操作をしないことです。
みなさん、無事に楽しいこの冬を乗り切りましょう!
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