■すでに技術開発を進める自動車 課題はあれど達成可能
大雑把なイメージとして、乗用車はすべて電気自動車に。ディーゼルエンジンを使う大型の車両を燃料電池で走らせることになると思う。
菅首相によれば「2050年までに排出量ゼロ」だから、クルマの寿命を15年とするなら2035年くらいまでに、新車で販売するすべてのクルマを電気自動車と燃料電池車にすることを意味する。そんなことできるのか? こらもう割と気軽に「問題ないでしょう」と答えておく。
まず電気自動車。すでにガソリン車と同等以下の総合コスト(車両価格+エネルギーコスト)が見えてきた。中国で生産されるテスラ『モデル3』は、CATL(寧徳時代新能源科技)社の、いわゆる「鉄電池」と呼ばれる「リン酸鉄リチウムイオン電池」を搭載している。
鉄電池、従来のリチウムイオン電池より少し重くて大きいけれど、安価で熱暴走せず、充放電可能回数も多いのだった。小型軽量化が進んだため、乗用車も使うようになっている。この電池の安定的な大量生産が進めば、現在のリチウムイオン電池の半額程度の調達コストになります。もちろんリチウムイオン電池の低コスト化や高性能だって進む。
リーフの電池は、10年で容量2倍以上になり、価格も半分以下になった。今後15年あれば間違いなくガソリン車より安価な移動手段になると思う。充電設備も至る所に作られる。厳しいと言われている2030年CAFE(企業平均燃費)など余裕でクリアするだろう。ディーゼル代替のパワーユニットは基本的に燃料電池になるだろう。
性能が上がっても大型トラックやバス、建設機械、船舶など大きなパワーを使い続ける使い方だと電気じゃ難しい。燃料電池は量産しなければコストが下がってこないです。したがって、MIRAIのような乗用車で台数を稼ぐしかありません。新型MIRAIをたくさん作ってコストダウンさせることにより、ディーゼル代替のパワーユニットになる。
■気になる世界の潮流 たどり着くところは電気自動車となる
一方、どうやって電気を作るかは豊田会長の主張どおりだと思う。日本政府、どうやってカーボンフリーの電気を作るかという方向性を打ち出していない。
人類がコントロールできない原発などありえない。地熱発電は日本にとって最もECOなエネルギーながら、ここには踏み込まない。火力発電なら燃費のいいハイブリッドだっていいと思う。
果たしてどうなるか? こういったケース、世界の流れと経済の原則によって決まる。今や世界の流れは電気自動車だ。しかも技術の進歩により電池のコストが大幅に下がりつつある。前述のとおり2~3年すると電気自動車とハイブリッド車の車両価格は同じくらいになると考えてよい。となればエネルギーコストの低い電気自動車を選ぶ。
イヤでも電気自動車のほうに向かう。はたまた安い電池が出てこなければ、ハイブリッドを中心としたモビリティになると思う。
興味深いことに、トヨタを見るとどちらでも生き延びれるような技術開発を行っている。次世代の全個体電池を2年くらいで実用化するという情報もある。5年先のことなど誰も予測できない。どうなってもいいよう、準備することです。
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