やっぱり「急操作」はNG!!
「急」がつく操作、具体的には、急ブレーキ・急発進・急ハンドルは、場所を選んで走らせる分には、楽しいものですが、クルマにとっては大きなストレスになります。
急な操作は、タイヤやサスペンション、ステアリング機構、車体など、自動車のあらゆる部分へ、瞬間的に大きな荷重がかかります。クルマはそこそこの大入力を入れても簡単には壊れないよう、安全率を高めにした強度設計がされており、急操作は、そこまでの大入力にはならないはずですが、部品のへたりや摩耗は普通に使うよりも早まってしまいます。
自動車メーカーでは、あらゆる耐久走行試験を念入りに行っており、サスペンションやエンジン、タイヤ、ステアリング系、駆動系、ボディ等の劣化具合を調べています。真夏の炎天下での連続走行や、真冬の氷点下でのコールドスタート、中には、車止めに低速でぶつける強度試験といった強烈なテストもあります。
そのため、「急操作をしたら壊れる」ということはありませんが、急操作が劣化を早めることは頭に入れておく必要があります。
また、クルマは走らせずに長期間止めておくのもよくありません。どんなクルマでも、ディーラーや整備工場で、定期的なメンテナンスやチェックを受けることが長持ちの秘訣です。
停止した状態でのハンドル転舵
駐車場などでクルマをいったん停止させたあとにハンドルを回してまた動き出す、という「ハンドルの据え切り」は、何気なくやってしまう操作のひとつですが、これもクルマの劣化を早める行為のひとつです。
例えば、重量1トンのFFコンパクトカーの場合でも、フロント1輪には約300Kgの重みがかかっています。アスファルトか、砂利道か、地面の種類でダメージの大きさは変わってきますが、停止状態でハンドルの据え切りを繰り返すことは、タイヤのトレッド部を酷使することになります。
消しゴムをねじるように地面へ押し付けてぐりぐりすれば、消しカスが出てくるように、停車時のハンドルの据え切りは、トレッド面を削っている動作なのです。
ステリング系やサスペンションのブッシュなどにも、わずかながらダメージが蓄積されていきますので、長い目で見ると、足回りにも負担がかかってしまっています。停車や駐車の際には、わずかにクルマを動かしながら、ハンドル操作をするテクニックを身につけましょう。
パーキングブレーキは「Pレンジに入れる前」
近年の新型車では、電動パーキングブレーキの普及で、自動でパーキングブレーキをかけてくれるクルマが多くなっていますが、まだまだ、手引き式もしくは足踏み式のパーキングブレーキのクルマに乗っている人も多いはず。
パーキングブレーキは、「Pレンジに入れる前にかける」がセオリーです。Pレンジは、トランスミッション内部の歯車に爪がかかり、シャフトがロックされるので駆動輪は動かなくなりますが、被駆動輪(FFの場合はリア、FRの場合はフロント)はフリーとなります。
そのため、Pレンジに入れたあと、ブレーキペダルから足を離すと、わずかにクルマが動いてしまいます。特に坂道などでギアへかかる負荷が発生した状態で、シフトレバーで無理やり解除させると、ミッションに負担がかかり、本来持っていない役割をすることになります。
正しい操作順は、「駐車場所でブレーキペダルを踏んだまま、パーキングブレーキをかけた後に、Pレンジに入れ、ブレーキペダルから足を離す」です。発進時はその手順の逆で、「ブレーキペダルを踏んだまま、Pレンジを解除し、パーキングブレーキを解除して、ブレーキペダルを徐々に離す」です。
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