近年のクルマのヘッドライトはかつてのガラス製からプラスチックへと変わっている。新車時にはコーティング層がレンズの樹脂を保護していて無色透明なものの、長年の紫外線などでそのコーティングが剥がれ、ライトレンズ自体が黄ばんでしまっているクルマも多い。
そうなればレンズを研磨する方法がメジャーだが、また紫外線などにあたるとすぐに黄ばんでしまうという悪循環がある。そこに目を付けたメーカーが画期的な製品を販売している。国沢さんも唸ったその逸品とは?
文:国沢光宏/写真:Shutterstock.com
2018年2月10日号「クルマの達人になる」
■黄ばんだから削る、のデメリットとは?
今やヘッドライトの素材は基本的に樹脂である。当然ながら硬い素材を使っているうえ、表面加工もしているため、一定の耐久性を持つ。
しかし! 早ければ5~6年でなんとなく「くすみ」が出始め、10年するとハッキリと黄ばんでしまう。こうなると古いクルマに見えてしまうだけでなく、絶対的なヘッドライトの光量も落ちてしまい夜間走行の安全性に影響を与える。
かといってヘッドライトを交換するとなれば驚くほど高い。一般的な対策としてはコンパウンドなどで表面を磨く。やってみればわかるけれど、気持ちいいほどクリアになります。
ただコーティングしてある表面を削ってしまうため、汚れやキズの付きやすい樹脂部分が露出する。こうなると劣化は早い。
半年もすれば再び透明度を失い、さらに表面を磨かなければならなくなる。一度磨いたら「磨き地獄」に落ちてしまう。この状況を何とかする方法はないか?
ヘッドライト表面がフラットな形状なら、面白い製品があります。『マジカルアートリバイバルシート』(以下リバイバルシートと略)という、マジカルカーボンで有名なハセプロの新製品である。
簡単に言えばヘッドライト表面に透明なテープを貼るというモノ。曇りガラスにセロテープ貼ると向こうが見えるようになるのをご存じだと思う。
曇りガラスの表面を見ると細かいデコボコが付いているのだけれど(このデコボコで光を拡散させ曇って見える)、セロテープ貼るとそいつを埋めてしまう。
リバイバルシートはそれと同じロジックを使っている。もちろん単なる透明テープだと「曇りガラスにセロテープ」くらいの効果しか期待できない。
リバイバルシートの接着面にはヘッドライト表面のデコボコを埋める柔らかい素材が塗り込まれており、貼るとみごとに透き通る。
黄ばんだヘッドライトでも新車のようなクリアさを取り戻すから面白い。加えて表面を削らなくてよいため、ヘッドライトが薄くなることもなし。ハネ石に当たったってキズ付かないというメリットまである。しかも5年はもつという。
コメント
コメントの使い方