日本ではいろいろな工業製品がその独自の市場に合わせて進化してきた。それこそガラケーなどはその最たるもので、あれだけ薄型、折りたたみなど凄まじい技術進化を遂げていたのはご存じのとおり。
クルマ界ではグローバル化が進み多くのクルマが現代のスマホのように、世界基準で進化を繰り広げてきた。
しかし、日本にはまだまだガラパゴス状態のクルマが日本には存在しているんです。「わかっているな〜」と思わず納得してしまうような独自進化を遂げた凄い日本車をご紹介します。
文:永田恵一/写真:ベストカー編集部
■軽トラ、軽バンは日本の物流を支える!!
日本オリジナルの名車、ということで原稿の依頼を受けた。これに関していうと一番大きなファクターは日本の自動車規格にあるだろう。
国土の狭い日本では自ずと道幅も狭くなり、車庫などにも大きな制限がかかるケースも多々ある。今回の企画ではまず軽自動車に触れざるを得ない。
軽自動車は「多くの人がクルマのある恩恵を受けられるよう、ボディサイズや排気量に制限を設ける代わりに税金の安さに代表される特典を与える」という趣旨で日本独自の規格として産まれた。
そして面白いのが「目標値や制限といった分かりやすいゴールがあると、ゴールに向かってとてもない強さを見せる」という、日本人の国民性を象徴するような存在でもあるころ。
現代の軽自動車はコンパクトカーに肉薄する機能やクオリティを持つことも増え、クルマによってはコンパクトカー以上に広い室内を持ち、さらにアルトやミライースのようなセダンタイプに始まり、ハイトワゴンやスーパーハイトワゴンだけでなく、SUV系やミッドシップのスポーツカーといった豊富なバリエーションが揃うという点と、そもそもほとんどのクルマが実用に耐えるスペースや動力性能といった性能を備えていることだけでも、軽自動車はすべてのクルマが日本人にしか作れない世界に誇れるジャンルといえる。
その中でも特に日本特有といえるのが軽貨物でもある軽ワンボックスと軽トラックだ。
小さなボディに涙ぐましい努力や追及で荷室の確保をしてあり、軽ワンボックスカーなら大人4人と「これでもか!」というほど荷物が載る室内空間を確保している。ボディサイズと室内空間だけで考えたら世界一と断言できるバランスだ。
自動ブレーキがついたり(性能についておいてはさておき)、軽トラックのダイハツハイゼットには荷台を少し削るシートの後ろに若干のスペースを持つ「ジャンボ」や、農業に携わる若い女性の心を掴むべくUVカットガラスやバニティミラーなどが装備される「農業女子パック」が設定されるなどその気遣いはまさにオ・モ・テ・ナ・シ。
外国人から見たら「日本にはこんなクルマがあるのか!」と驚くに違いない。
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