電動化で大幅進化!最新技術で選ぶ注目のハイテクSUV3台

 かつてはベストカー編集部、そしてNAVI編集部に在籍していたフリーランスの自動車ライター塩見智氏。ベストカー本誌ではホンダN360の連載や輸入車試乗の記事などでおなじみだ。

 そんな塩見氏はランドローバーディフェンダーを購入するなど最近はSUVにぞっこんだ。そこで彼に今注目のSUVを紹介してもらった。

文/塩見 智、写真/ベストカー編集部、TOYOTA、Land Rover

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■今はSUVがお気に入り! 注目のSUVをご紹介

塩見氏の現在の愛車、ランドローバー ディフェンダー。塩見氏のはじめてのSUVはゴリゴリの本格派だ

 わたくしごとで恐縮だが、昨年末ランドローバーディフェンダー110を買った。初めてのSUV。20代まではスポーツカーしか眼中になく、変速機も絶対MTという嗜好だったが、30代前半でやや心境が変化し、ATでもいいかなと考えるようになった。

 それでもミニバンやSUVはないと思っていた。30代後半になると乗り心地をはじめ快適性を重視するようになり、40代では快適性に加え、ユーティリティーや経済性などの優先度が上がり、ミニバンやSUVもいいなと考えるようになった。

 家族構成などライフステージの変化も絡んでくる話ではあるが、よくあるクルマ好きの好みの変遷ではないだろうか。

 いったんクルマ好きになったら歳をとっても嫌いになることはないものの、好きは好きでも楽しみ方が変わるのだろう。例えば運転そのものから、クルマでだれとどこへ何をしにいくかに。クルマが目的から手段になるのだ。

 ここのところ――といっても優に10年以上前からだが――SUVが人気なのは、手段としてのクルマとして最適だからだと思う。

■西海岸風のワイルドなルックスが目を引く トヨタRAV4

トヨタ RAV4。ハイブリッドの副産物としてのパワーアシストが心地よい

 ともあれ、僕がよいと思う、あるいは注目するSUVを挙げていきたい。

 最近出たSUVで、性能と価格を総合的に考えて最も出来がよいと思うのは、トヨタRAV4だ。角張ったワイルドなルックスは西海岸風(キャルルック)でイカす。

 TNGAコンセプトに基づいて開発されたGA-Kプラットフォームの出来がよく、乗り心地がよく、それでいて活発に走らせても腰砕けせず頼もしい。リアモーターの出力がグーンと上がったのがよい。

 あくまで燃費向上を目的としたハイブリッドだが、副産物としてパワーアシストの役割もこなす。アクセルペダルを優しく踏めばエコカー、ガバっと踏めばスポーティーカーというわけだ。

 昨年PHV仕様が追加された。これがまたハイブリッドよりずっと容量の大きいバッテリーを搭載し、満充電から95kmもEV走行することができる(WLTCモード)。

 その豊富な電力を存分にパワーアシストに割り振れば、0-100km/h加速を6秒と、かなり速いクルマとなる。86より速いんじゃないか。電気ターボSUVだ。

 給電機能があって、アウトドア活動時、ひと晩中エンジンをかけることなく電力を使うことができるほか、バッテリーの電力を使い切ったら、そこから先はエンジンをかけて発電機として使えるため、災害時に頼もしい存在になる。

 惜しむらくは、RAV4 PHVは生産能力を超える注文が殺到し、現在受注が停止されている。

■山坂道が楽しい! 三菱エクリプスクロスPHEV

三菱エクリプスクロスPHEV。アウトランダーPHEVなどと比較してお得感があるのもポイントだ

 でも大丈夫。すぐ買えるPHVのSUVもある。三菱エクリプスクロスPHEVだ。PHV部分の基本の骨格や性能は元祖PHV SUVとして評価が高いアウトランダーPHEVと同じ。

 にもかかわらず価格は384万8900〜447万7000円と、アウトランダーPHEV(436万4800〜529万4300円)より約50万〜80万円も安い。RAV4 PHVは469万〜539万円とアウトランダーPHEVをターゲットにした価格になっているので、こちらに対しても価格競争力が高い。

 バッテリーの総電力量(容量)が13.8kWhと、RAV4 PHVの18.1kWhほど大きくないため、EV走行可能距離は57.3kmにとどまる。が、PHVにとってEV走行可能距離の長さは重要ではあるものの、すべてではない。

 バッテリーを多く積めば長く走行できるが、重くなって効率自体は落ち、運動性能の面でも不利になるからだ。ユーザーの1日の平均走行距離をカバーするギリギリの容量を搭載し、それ以上はハイブリッドとして走行するのがPHVの本懐といえる。

 直進時の力強さは若干RAV4 PHVに劣るが、山坂道を駆け抜ける時の楽しさはエクリプスクロスの勝ち。WRCで培った三菱の4WD技術がツインモータ―の電動パワートレーンに落とし込まれている。

 前後モーターを独立制御することで前後トルク配分を自在に変化させ、必要に応じてコーナーで内輪にブレーキをかけるAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)もあって左右のトルク配分も制御できる。オン/オフ問わず走りは痛快だ。

 当然給電機能が備わる。給電機能はEVやPHVならではの機能であり、クルマが人、モノを運ぶこと以外の重要な役割を担うという意味で、次世代車両の真骨頂だ。にもかかわらず、欧州のPHVにはなぜかこの機能が備わっていない。

 この点を含め、PHVに関しては基本となるハイブリッド技術に一日の長がある日本車のほうがこなれている。コストパフォーマンスも高いし。

■2つのテクノロジーで乗りやすい! 日産キックス

日産キックス。日産の二大テクノロジー、e-powerとプロパイロットを備える

 たまたま電動が続くが、日産キックス(275万9900〜286万9900円)もなかなか使い勝手がよい。日産の二大虎の子テクノロジーであるe-powerとプロパイロットが、ちょうどよいサイズのSUVに詰め合わせされている。

 e-powerは、トヨタのTHSやホンダのe:HEVといった2モーターのフルハイブリッドシステムをもたない日産が、EVのリーフのモーターを流用し、発電専用のエンジンと組み合わせ、安価でシンプルな構造だが効率の高いシステムとして開発したもの。

 エンジンは必要に応じてかかるが、直接駆動に関わることはなく発電するのみ。駆動は常にモーターのため、EVのような継ぎ目のない加速フィールが心地よい。パワーも十分。

 高速域での効率はさほど高くないものの、ストップ&ゴーの繰り返しなど、日常域ではかなりの燃費が期待できる。急場をしのぐつもりが大ヒット。

 ノート、セレナ、キックスと採用車種を増やし、近々登場する次期エクストレイルへの採用も決定的だ。開発責任者は出世の階段を一段飛ばしで駆け上がっていることだろう。いやモーター駆動だけに段階を踏まずエスカレーターのように上がっているかもしれない。

 プロパイロットも16年の実用化以来、採用車種が増えてデータの蓄積が進み、また新たにミリ波レーダーを追加するなど進化しており、初期のものよりアシストが正確でスムーズになった。

 とにかく運転が楽。できることならスカイラインに採用されたハンズオフドライブ可能なプロパイロット2へと進化してほしいところだが、まだこのクラスに降りてくる気配はない。

 18年にロールス・ロイスがSUVのカリナンを発売した時の“ついにここまできたか”感は半端なかった。世の中、とにかくSUV、なにはともあれSUVなのである。なぜか? 要するにめちゃくちゃ売れるからだ。スポーツカーでイメージを構築し、エコカーで技術力を誇示し、SUVで儲けるのだ。

■とうとうあのクラウンまでが!? SUV時代はまだまだ終わらない

現行トヨタ クラウン。「いつかはクラウン」といわれたセダンの王様までもが、次期型ではSUVに生まれ変わるという噂がある

 ベストカーwebによると、あのトヨタ・クラウンまでもがSUVに生まれ変わるかもしれないというではないか。

 しかも記事にあった予想CGがカッコいいでやんの! あの感じで出たら日本人はあっさりすんなり受け入れるだろう。

 事実上のクラウンのミニバンバージョンであるアルファードが何年間もバカ売れし、プライベートカーとしても公用車としても、従来クラウンが受け持ってきた客層の少なくない割合を引き継いでいるのを見ると、クラウンSUVも売れるに違いない。

 どうせならアルファードをクラウンエース、クラウンSUVをクラウンクロスとして、セダンも残すなら残してクラウン帝国を形成すべきだ。クラウンの定義を“ニッポンを代表する高級セダン”から“ニッポンを代表する高級車”にアップデートすればよい。

 SUVの時代は終わらない。SUVこそが乗用車の最終進化系なのだ。

 次回は魅力的な輸入車SUVをご紹介したい。

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