■価格もユーザーフレンドリー! クルマの出来だけではない人気ポイント
割安な価格も人気の秘訣だ。中級グレードの「G」は、衝突被害軽減ブレーキ、サイド&カーテンエアバッグ、LEDヘッドランプ、アルミホイールなどを標準装着して2WDの価格が189万5000円だ。「ヤリスクロス2WD・G」の202万円に比べてかなり安い。
コンパクトカーの「ヤリス1.5G」は175万6000円だが、LEDヘッドランプとアルミホイールはオプションで、この価格を加えると189万7900円になる。
つまりライズの価格は、実質的にヤリスやフィットといった売れ筋のコンパクトカーと同等だ。販売店のコメントにあったとおり、コンパクトカーのユーザーが個性的なSUVに乗り替えたいと考えた時、ライズはちょうどいい選択肢になる。上級車種からダウンサイジングする時も、SUVならコンパクトカーよりも存在感が強く、カテゴリーを下げた印象になりにくい。
今のクルマは安全装備が充実して好ましいが、価格も上昇している。以前は消費税率も低く、2010年代の中盤なら、「ライズG」と同等の価格でミドルサイズミニバンの「ウィッシュ1.8X」を購入できた。しかし今の170~200万円は、コンパクトカーの価格帯だ。それなのに所得は1990年代の後半以降は下がっており、今でも20年前の水準に戻っていない。クルマを買う時も予算を増やせず、ミドルサイズからコンパクトな車種に乗り替えるユーザーが増えた。
このようにライズは、今のさまざまなニーズに応えることで好調に売れている。ボディサイズや外観のデザインから運転感覚、居住性、価格まで、日本のユーザーに寄り添う開発姿勢が大ヒット商品を生み出した。このセオリーは、商品を問わず、いつの時代でも変わらない。
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