■電動化社会をどう勝ち抜く!? 国産メーカーのEV戦略の行方
●トヨタ
あまり話題になっていないけれど、日本勢で最も入念な準備を行っていると思う。そもそも「電池価格や電池寿命でユーザーに迷惑を掛けない」ということを大前提にしているため、外野から見ればナニもやってないように見えるんだと思う。今年、やっと動き出すようだ。最初はトヨタ本体と言うよりスバルとの協業です。
まだ詳細不明ながら、早ければ2021年4月の上海モーターショーでスバル開発のCセグメント電気自動車をワールドプレミアさせるようだ。デザインはすでにスバルがコンセプトカーを発表しており極めて近いと考えていい。海外勢とガチで戦える50kWh以上の電池を積み、価格もコストダウンが進む海外勢の競合車と同等に抑えるらしい。
●日産
スバル/トヨタ開発の電気自動車に先駆け、年内に『アリア』を発売する。電池搭載量はベースモデルで60kWhと十分! リーフからハッキリ1世代進んだシステムになっているとのこと。Dセグメントのため500万円を切れればハイブリッド車と価格で勝負できるようになります。2021年は補助金も増額されるというウワサ。
注目なのが軽EV。これまた2021年から補助金の増額も期待されるため、実質的な支払金額で160万円くらいになってくると(補助金総額70万円とすれば230万円ですね)、ランニングコストを含めガソリンエンジンの軽自動車と勝負できる。これまた価格設定次第。日産の電気自動車が売れるかどうかは価格戦略で決まってくるでしょう。
●ホンダ
国内販売モデルという点では今のところ『ホンダe』に続く”二の矢”は存在しない。ニーズのあるところで作りニーズのあるところで売る、という割り切った戦略だ。
アメリカはGMと協業。中国も東風汽車などと協業して中国の電池積んだモデルを現地で勝負できる価格で売る。国内向けはしばらく改良する予定のないホンダeのみ。
●マツダ
MX-30 EVのハンドルを握ると「ハイブリッドを含むエンジン技術で決定的な遅れを取ってしまったマツダながら電気自動車でリスタートすればTOPクラスに出られますね!」と思った。もう少し大きい容量の電池を積み、200馬力くらいのモーターにすれば現在販売している電気自動車の中で最もバランスいいかもしれません。
新興勢力だけでなく、既存の自動車メーカーにとっても電気自動車作りは素晴らしいチャンスになる。MX-30 EVの開発担当者も電池容量を増やしていきたいと考えているようなので、ポテンシャルを感じます。
ただマツダという企業全体が硬直化しているため、電気自動車に注力するかどうか大いに疑問。やればできるのに……と思う。
●その他
電気自動車で先行した三菱自動車ながら、ここにきて進化していない。インフォメーションすらなし。 アウトランダーPHEVのエンジンを降ろして電池を積めばいいと思うのだけれど。ダイハツとスズキはトヨタ頼み。安価な電池を調達できるようになったらいつでも良質の電気自動車を作れる。ただ中国から安価な小型電気自動車が入ってくると防戦に苦労する?
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