■4代目モデル(1989年登場、Z32型)
元号が昭和から平成へ変わる頃の日本はバブル景気もあり、クルマも含めすべてが上り坂だった。
そんな時代背景もあり、4代目モデルのフェアレディZもグラマラスなエクステリアや日産のFR車がそれまで20年以上使っていたフロント/ストラット、リア/セミトレーリングアームから新世代の四輪マルチリンクサスペンションを採用するなどした。
いい意味で軟派な面も持つラグジュアリーなスポーツカーに生まれ変わったというわけだ。
4代目フェアレディZに搭載されたエンジンも3代目モデルと同じ3リッターV6のVG型ではあったが、大改良を受けNAのVG30DEは230馬力&27.8kgm、ターボはツインターボ化されたVG30DETT(280馬力&39.6kgm)を搭載し、性能を大幅に向上。
また3リッターV6ツインターボ搭載車は同じ1989年に日産から登場したR32型スカイラインGT-R、インフィニティQ45ともに日本最強280馬力トリオを形成した。
4代目フェアレディZは1992年に3リッターV6NAを搭載したコンバーチブルを追加した後は、バブル崩壊による景気と日産自体の低迷により販売も激減。何度かの小さな改良を受けながら細々と生産されるようになり、フェアレディZ自体が2000年に一度絶版となった。
■5代目モデル(2002年登場、Z33型)
5代目フェアレディZは、日産が1999年のルノーとの資本提携後に開始した経営再建に向けたリバイバルプランのシンボル的存在として2002年に復活する形で登場した。
5代目フェアレディZの成り立ちは2001年登場の11代目スカイラインでデビューした、V6エンジンをフロントミッドに搭載したFRで、4ドア車では広いキャビンとラゲッジスペースを確保するなどし、汎用性の高さも持つFMプラットホームを使ったスポーツカーである。
5代目フェアレディZの初期モデルの価格はFMプラットホームの汎用性の高さもあり消費税抜き300万円からと、初代フェアレディZにも通じるリーズナブルなものだったこともセールスポイントの1つだった。
なお、フェアレディZは4代目モデルまで2人乗りの2シーターと小さなリアシートを持つ2by2を設定していたが、5代目モデルから2シーターのみとなった。
4代目フェアレディZに搭載されたV6エンジンは、中期モデルまで当時の日産の高額車に幅広く搭載されたVQ35DE(280馬力&37.0kgm)だった。VQ35DEは2005年の35周年特別仕様やマイナーチェンジモデルで294馬力にパワーアップされるなどの改良を受けた。
また2007年1月の一部改良ではFR車用のVQ35エンジンが、前年の2006年に登場した12代目スカイラインから大排気量エンジンながら7500回転という高回転まで対応するなどの大改良を受けたVQ35HRに移行したこともあり、5代目フェアレディZにも搭載された(313馬力&36.5kgm)。
さらに5代目フェアレディZには2007年6月に市販車に近いレースカテゴリーとなるスーパー耐久参戦のため、VQ35HRを3.8リッターに拡大したレーシングカーであるバージョンニスモタイプ380RSコンペティションをロードカーとしたバージョンニスモタイプ380RSも300台限定で追加している。
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