当事者は死活問題だ! クルマ酔いは克服できるのか?

クルマ酔いする人を同乗させるには?

 ところがこのようなこと(スマホなどを見る)とは関係なくクルマ酔いする人もいます。どうすればよいのか? ということを考えてみたいと思います。

 筆者もそうだったのですが、クルマ酔いは主に発育期の子供に多くみられるように思います。介護が必要な高齢者にも多くみられるようです。また犬などのペットにもみられます。

 このような場合での対処の仕方はクルマに乗せないことです。といってしまえば元も子もなく、この掲載はなんなのか? ということになりますね。

スムーズな運転を心がけることが大切

 クルマ酔いするけれども乗せなくてはならないというケース。まずスムーズな運転を心がけることです。これはどんなクルマであろうが大前提。

 筆者の甥は、子供の頃にいつもクルマ酔いをしていました。しかし、その甥は筆者が運転するクルマではまったく酔わなかったのです。甥がクルマ酔いすることがわっていたので“STOPクルマ酔い運転”を心掛けたのです。

 絶対にクルマ酔いさせないという強い思いで運転しました。では、その“STOPクルマ酔い運転”とはどのような運転法なのか?

 普通に誰もが想像がつくと思いますが、スムーズな運転を行うのです。加速も減速も。

スムーズな運転とは挙動変化が穏やかになるように心がける運転。余裕をもって早めの動作が大切になる
スムーズな運転とは挙動変化が穏やかになるように心がける運転。余裕をもって早めの動作が大切になる

 加速はある種エコドライブのように穏やかに、特に停止状態からの発進時に神経を集中してスムーズに発進させます。クルマが止まっている状態から動き始める時が一番加速度は大きく感じられるからです。20km/hぐらいまで速度が上がれば、あとは普通に加速しても大丈夫(急加速は厳禁)。

減速時は加速時よりも穏やかに!

 そして減速だがこれも非常に重要。加速よりも丁寧に行う必要がある。ブレーキの踏み始めは、どのクルマにも無効ストロークといって、ペダルを踏み始める時にさまざまなデバイスへの信号発信用のペダルストロークがあり、その後、実際にブレーキパッドがローターをつまみにいくストロークがある。

 ハイブリッドカーなどはこの無効ストロークが、回生ブレーキになったりもする。特にハイブリッドモデルはこの領域がバッテリーのコンディションによって変化するよう電子制御されているから、その癖をつかんでおく必要がある。

 ただ回生ブレーキの減速Gは比較的穏やかだ。ただし日産のリーフやe-POWER車は要注意。e-POWERはワンペダルドライブ機能をOFFにしたほうがいいだろう。

日産のワンペダルドライブにはリーフに搭載する『e-ペダル』とノートやセレナの『e-POWER Drive』がある。『e-ペダル』は回生ブレーキと油圧ブレーキの協調制御を実現している
日産のワンペダルドライブにはリーフに搭載する『e-ペダル』とノートやセレナの『e-POWER Drive』がある。『e-ペダル』は回生ブレーキと油圧ブレーキの協調制御を実現している

 で、大切なのは実際にディスクブレーキに制動をかけ始めた時。この時の減速Gをとにかく踏み始めを穏やかにする。そして少しづつ減速Gを強めていくが、これも穏やかに。理想は踏み始めの減速Gを維持したまま停止するのが望ましい。このため前走車との車間距離は長めになる。

  道路が空いていればよいが、混んでくると後続車に迷惑をかけることになるので、やはりブレーキ踏み始めと停止前の減速を穏やかにする運転が必要である。

カーブもステアリング操作はゆっくり丁寧に

 そしてカーブだ。峠道、都市高速、高速道路レーンチェンジ、市街地のどれにも共通するのがステアリングの切り始めをゆっくりと行うことだ。曲がり込むにしたがってステアリングスピード(切り込む速さ)を上げてゆき、戻しはできるだけゆっくりと戻し、最後は丁寧に直進状態に戻す。

カーブでのステアリング操作は、車速に応じてゆっくりと切りこみ、ゆっくりと戻すのが基本
カーブでのステアリング操作は、車速に応じてゆっくりと切りこみ、ゆっくりと戻すのが基本

 戻しで大事なことは、決してクルマが発生するセルフアライニングトルクに任せてスルッと戻さない。できるだけドライバーのハンドル操作で戻す。できない人は、自動で戻るハンドルと手の摩擦をしっかりとコントロールしてスムーズに戻すこと。

 そしてクルマが曲がっている時はできるだけアクセルは一定に保つ。峠や高速の場合は、コーナリングの抵抗で速度が落ちるが立ち上がりで抵抗が減ってまた元の速度に復帰する。下手にコーナリング中に加速しないほうがい。

  そのほかに窓は少し開けて換気に努める。エアコンの外気導入モードも効果的。だが、トンネルや大型トラックの後ろについてしまった時には窓を閉め、内気循環モードにするなど、こまめなエアコントロールが重要。室内温度も少し低めがいいだろう。

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