日本のみならず、海外メーカーからぞくぞくとEVが発表さているが、価格的な問題以外にも、航続距離が短く電欠の不安が付きまとうのは嫌だ……という声が多い。
EVでトラブルが起きた時はどのような対応がとられるのか? もし立ち往生(雪や地震などで)したらどう対応するべきなのか? ゲリラ豪雨で水没したらEVに触ってはダメというのは本当か? など、これから来る電動化社会のトラブルへの対応を一挙にまとめてみた。ぜひご一読いただきたい。
文/高根英幸
写真/NISSAN、JAF、Adobe Stock
【画像ギャラリー】ヨーロッパでシェア拡大中のEVたちを写真でチェック!!
■EVは今購入してもいいクルマなのか?
米国や中国だけでなく、このところ欧州でもEV車の販売比率が高まっているが、それとともにEV車ならではのトラブルも増えている。
バッテリーの電欠による立ち往生くらいなら、オーナーの計算ミスなどが原因であった場合もあり、後日笑える話として扱えなくもないが、降雪時など極寒状態の中であれば、生死に関わることもあり得る。日本でも日本海側の大雪など、今冬は特に気象条件の悪さがあってEVの利便性、信頼性は大いに気になるところだ。
日本市場でもEVがぞくぞく発売されて、ラインナップが充実しつつあるが、EVは今購入してもいいクルマなのか、クルマを購入しようと思っている人であれば、悩むことも少なくないだろう。
クルマの航続距離や充電ステーションの整備状況なども大いに影響しているが、最終的にはドライバーの性格によって向き不向きがあるのも事実。つまり使う環境によってもEVの向き不向きはあるが、(あくまでも現時点ではだが)EVに向いているドライバーと向いていないドライバーが存在するのだ。
早い話、これまでガス欠でロードサービスを要請した経験のあるドライバーは、EVを選ぶのはヤメたほうがいいだろう。歩いてガソリンスタンドへ向かい、携行缶などを貸してもらってクルマに給油できた時代(それくらいガソリンスタンドがあちこちにあった)なら、どうにかなっても、今や高速道路では200キロ以上給油できないエリアが存在するような状態である。
そこで自車の航続可能距離や給油のタイミングがコントロールできないドライバーにはEVはストレスの溜まる、それでいて電欠のリスクが高い乗り物となるからだ。
一方、日頃からクルマのコンディションにある程度注意を払い、長距離ドライブの際には事前に頭中でルートを想定して休憩や給油などのペース配分を考えられるような人はEVでも安心して利用することができるだろう。
たとえ行き当たりばったりのドライブでも、給油のタイミングを逃さないドライバーもいる。そうした適応力や判断力に優れた人であれば、レンタカーでもカーシェアリングでも対応できるのではないだろうか。最近はガソリンスタンドもずいぶん減って、ガス欠の可能性も高まってはいるが、まだまだハイブリッドや純エンジン車のほうが、気兼ねなしに乗り回せるクルマであるのは間違いない。
それでも自宅で深夜に充電できて、行動半径が限られるような使い方であればEVは給油の必要がなく、万が一の停電の際にはクルマから家屋に給電して電力を使うこともできる。自分がクルマを使う環境、目的を明確にできる人であれば、そのEVが自分の使い方にマッチしているか判断できるだろう。
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