トヨタライズとヤリスクロス 販売好調!! この2台が売れる理由とは?

■ライズは5ナンバーサイズのコンパクトさが好評

 ライズが好調に売れる理由を販売店に尋ねると、以下のように返答された。

「ライズは5ナンバーサイズのコンパクトなSUVで、初心者や高齢のお客様も運転しやすい。ボディが小さい割に後席や荷室は広く、実用性が優れている。そのためにヴィッツ(現在のヤリス)のようなコンパクトカーから、ミニバンのヴォクシーまで、さまざまなお客様がライズに乗り替えている」。

 ライズが好調に売れる理由として、全長を3995mmに抑えた5ナンバーサイズのボディが挙げられる。最小回転半径は4.9m(Zグレードは5.0m)に収まり、水平基調のデザインだから、前後左右ともに視界がよくて運転しやすい。

 ヤリスクロスを含めてSUVの多くは、全長が短くても、全幅は1700mmを超えて3ナンバー車になる。5ナンバーサイズのSUVは、ライズと姉妹車のロッキー、クロスビー、ジムニーシエラ程度だ。

 運転のしやすいSUVを求めるユーザーにとって、ライズは貴重な選択肢になる。コンパクトカー、あるいはミドルサイズのミニバンやSUVからの乗り替えにも適する。

視界がよく、小回りも効いて荷物も載るから、実用性を求めるユーザーからの人気が高いようだ
視界がよく、小回りも効いて荷物も載るから、実用性を求めるユーザーからの人気が高いようだ

 そしてSUVとあってボディの上側はワゴン風の形状だから、後席や荷室にも実用性が伴う。フィットほど車内は広くはないが、ファミリーカーとしても使いやすい。

■タフなイメージのデザインも好まれる要因

 デザインも注目される。ライズは水平基調のボディによってフロントマスクに充分な厚みがあり、ボディは小さくても存在感が強い。しかもボディ全体が角張っているから、RAV4を小さくしたような印象を受ける。

 最近は前輪駆動をベースにする都会的なSUVが膨大に増えた影響で、原点回帰のトレンドが生まれた。ランドクルーザーのような悪路向けSUVの雰囲気が好まれている。

 輸入車でも、第二次世界大戦で投入されたミリタリージープのデザインを受け継ぐジープラングラーの売れゆきが好調だ。小さなボディに本物感の伴うライズの外観も、高い人気を得た大切な理由になっている。

 エンジンは直列3気筒1Lターボを搭載しており、1.4Lのノーマルエンジンと同程度の動力性能を発揮する。パワフルではないが、実用的には充分だ。

 このほか割安な価格も人気の秘訣になる。中級の2WD・Gは、衝突被害軽減ブレーキ、LEDヘッドランプ、アルミホイールなどを標準装着して189万5000円だ。

 1.5Lのノーマルエンジンを搭載するヤリス1.5Gが175万6000円、フィット1.3ホームが171万8200円だから、ライズの価格はコンパクトカーの買い得グレードに比べて14万~18万円高い程度に収まる。この価格ならライズへの乗り替えもしやすい。

■ヤリスクロスはファミリーカーとしても魅力的

 一方、ヤリスクロスの人気についても販売店に尋ねると、以下のように返答された。

「ヤリスクロスは売れゆきが好調で、納期もノーマルエンジンが4カ月、ハイブリッドは約7カ月を要する。ヤリス以上の人気車になった。一番の魅力は外観のカッコよさで、後席や荷室も、SUVだから5ドアハッチバックのヤリスよりも広い。しかも価格はSUVとして割安だから人気を集めた。ヤリスを目当てに来店されたお客様が、デザインや広さを理由にヤリスクロスを選ぶこともある」。

ヤリスクロスは「本家ヤリスではいささか小さすぎる」と感じるユーザーの受け皿としても機能しているようだ
ヤリスクロスは「本家ヤリスではいささか小さすぎる」と感じるユーザーの受け皿としても機能しているようだ

 ヤリスクロスのインパネデザインなどは、ヤリスとほぼ同じだが、後席の足元空間は少し広く、ファミリーカーとしても使える。ライズに比べるとボディがワイドで存在感もあり、走行安定性や乗り心地も上まわる。

 その分だけ価格はライズよりも高めだが、1.5Lノーマルエンジンの2WD・Gは202万円だ。ライズ2WD・Gに比べて12万5000円の上乗せに収まる。この価格差であれば、ライズよりもヤリスクロスが割安と感じるユーザーもいるだろう。約37万円の上乗せで、ハイブリッドを選べることもライズとは違う魅力だ。

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