超大事なのに見過ごしがち 命を守るヘッドレスト調整してますか


 内閣府の統計によると、平成30年中に全国で発生した交通事故は、43万601件。このうち、35%にあたる14万9,561件が追突事故でした。そして、財団法人交通事故総合分析センターのデータによると、追突事故に遭った方がケガを負う部位は、9割が首の部分。つまり、交通事故において、もっともケガを負う確率が高いのが、首なのです。

 筋肉と神経が複雑に絡み合う首は、人間にとってとても重要な部位。その大事な首を、追突事故の衝撃から守ってくれるのが、「ヘッドレスト」ですが、なかには、ヘッドレストの役割を勘違いしていたり、正しく使えていなかったりするかたも多いようです。また、ヘッドレストが首に合わないと悩んでいる方も。

 今回は、クルマのヘッドレストの重要性を再確認するとともに、正しいヘッドレストの位置、そしてヘッドレストに悩む方に向けて対処法もご提案できれば、と思います。

文:吉川賢一
写真:TOYATA、HONDA、NISSAN、SUBARU、SUZUKI、ベストカーWEB編集部

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ヘッドレストは「頭の拘束具」

 クルマのヘッドレストは、英語の「ヘッドレストレイント(head restraint)」を略したもの。「restraint」とは「拘束」という意味であり、直訳すると頭の拘束、つまり身体を拘束するシートベルトと同じような役割をもつ装備です。

 「レスト」という言葉から「休憩」を連想し、「頭をもたれかけさせる、枕のようなもの」と理解している人も多いようですが、それは大きな勘違いです。

 クルマに乗っていて後ろから追突されると、乗員の体はいったん前方へと投げ出され、その後シートベルトによって身体は後方へと戻されます。このとき、頭部が後ろへ投げ出されるのを最小限に食い止めてくれるのがヘッドレストです。

コンパクトカーの水準を遥かに越えた、立派なフロントシートが採用されているホンダフィットLUXE ヘッドレストも左右のサポート性まで考えられている

後頭部の出っ張りがヘッドレストの中心にくるように

 人間の頭部の重さは、体重の8~10%ほどもあるといわれています。重い頭部は追突事故の際、身体よりも動きが遅れるため、「むち打ち」となります。ヘッドレストがなければ、さらに後ろへと頭部が投げ出されるため、さらに強いむち打ち状態となってしまいます。そのためヘッドレストはとても重要。

 そして、ただ(ヘッドレストが)あればいい、というものでもなく、ヘッドレスト位置がずれていると、追突事故の際、頭を受け止めることができず、意味をなしません。しっかりと頭を受け止めてくれる位置に調節しておくことも非常に大切です。

 ヘッドレストの正しい位置は、後頭部の一番出っ張っている部分に、ヘッドレストの中心がくる高さです。後頭部をピタっと付けると、ボディの振動が頭に伝わるため、ちょっとだけ浮かすようなポジションが適切とされています。前後にも調整できるタイプもありますので、より頭とヘッドレストが近くなるように調整できるタイプだと好ましいでしょう。

これが正しい位置 後頭部の出っ張りがヘッドレストの中心にくるように
これはヘッドレストの高さがあと3センチほど足りていない これでは押し戻される際に、頭が上にずれてしまう可能性も

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