■快挙!? E-4クラスを制した走るCEO
ラリー事情に詳しい方からのツッコミがある事も踏まえフォローをしておくと、レギュレーションなどの都合から今回は「GRヤリス専用のクラスはまだ未成立」となり、モリゾウ選手は【E-4クラス:トヨタ車限定(気筒容積1,501cc以上)】というカテゴリーへの出場となった。
E-4クラスのエントリーは、ゼッケン101『AE111レビン』、同102『AE92 トレノ』。そして小倉クラッチ社長である小倉康宏氏が駆るゼッケン103『小倉クラッチGRヤリスーORC』と、モリゾウ選手の104号車『TGR MORIZO GRヤリス』の4台である。
(※モリゾウ選手の固定ゼッケンナンバーは104(トヨ)号車)
真剣勝負の全日本ラリーや地区戦などに比べると多少のエキシビジョン要素はあるものの、クラス不成立による「賞典外」ではなく正式に成立したE-4クラスでの入賞。SSではトップタイムもいくつか叩き出し、クラス優勝として表彰されたのだから快挙と言ってよいのではないだろうか。
■サービス精神も満点の「最高の広報マン」
モリゾウ選手は決してプロドライバーを生業としている人物ではない。しかしながら、「クルマをカッコよく魅せる」という点においては全トヨタ最高クラスの広報マンでもある。
SSのギャラリーステージにおいて、たびたびそのサービス精神を感じずにはいられない。勝つことよりも「魅せる」ことで、観客のどよめきを誘うシーンをこの10年幾度となく見た。
業界関係者には「社長の道楽」、「殿の鷹狩り」と眉をひそめる人もいるのは事実だ。しかし1分単位でスケジュールが決まっている世界的な自動車メーカーの社長が、せっかくの休みにも早朝4時起きでサービスパーク入りしているのもこれまた事実。
地元の有力者や他社の歴々とも挨拶をかわしながら、何より真剣に取り組んでいるラリーを「道楽」の言葉で済ませられるとは個人的には思えない。また、その活動を真剣にサポートしている人々がいることも忘れてはいけない。
モリゾウ選手にばかり注目が集まり、「私はいいから、もっとクルマを撮ってよ!!」と強い声が響いたのを忘れられない現場関係者も少なくないだろう。立場によっていろいろな考えはあるかと思うが、モリゾウ選手の参加によって潤う経済もあるのだ。
■モータースポーツ業界を“モリゾウ”が動かす!
今回、広島という土地がら、マツダ関連のお仕事に従事する観客の方とふと立ち話をする機会があった。「トヨタの社長がくるんじゃろ? ありゃー、こういうのええね」 「三次のマツダの祭りも行くけども、負けてられん気になるよね」と、楽しそうにGAZOO Racingの旗を振っていた。
モリゾウGRヤリスに押されて動き出した自動車業界関係者も少なくないだろう。老若男女にユメを与えて経済をも活性化させる、そんな2021年シーズンのラリチャレとモータースポーツ業界を心より応援したい。
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