【褒めてあげたい!?】 珍車…スーパーカー…SUV…こんなクルマ殿堂があったなら!

■国産「SUVの殿堂」入りグルマは?

 さてさて、お次は今人気、といわれるSUVの殿堂入りモデルを紹介しよう。SUVと呼ばれる以前のクロカンモデルも含めるぞ。

 まず筆頭はおなじみランクルだけど、歴代ランクルの中でも堂々殿堂入りとなるのは、なんといっても1980年から10年間作られた60系だろう。その理由は本格ステーションワゴンを目指したクルマだったから。

 それまでの50までとは快適性がまるで違うし、イージードライブができるATモデルが用意されている点もポイント。

 そしてもう1台殿堂入りにふさわしいのがパジェロ。ああ、出ましたねと読者の方も思うでしょう。なのでこちらの説明は割愛。

 隠れた殿堂入りとして担当が推したいのは、いまは乗用車生産から撤退したいすゞのビッグホーン。それも1981年に登場した初代モデルだ。

 2代目モデルよりもフォルムが直線基調で、当時は和製レンジローバーともいわれていた。しかもレンジローバーと同じくショートホイールベースの3ドアモデルも用意されていて、さらに3ドアモデルにはソフトトップバージョンもあった。

SUV界のレジェンドといえばやはりランクル60系と初代ビッグホーン。男らしい角張ったデザインは今再販しても売れるかもしれません
SUV界のレジェンドといえばやはりランクル60系と初代ビッグホーン。男らしい角張ったデザインは今再販しても売れるかもしれません

 そのほかSUVカテゴリーでは、2代目ハイラックスサーフ、初代テラノ、ジムニーも殿堂入りにふさわしいSUVといえる。

■時代を切り開いた「デザイン殿堂」車

 続いては、国産車の歴史の中でデザインに秀でたクルマの殿堂を見ていこう。

 今でこそ国産車も海外のデザインセンターでデザインされるクルマも多くなり国際化が進んでいるが、1980年代前半くらいまでは日本オリジナルデザインのクルマも多かった。

 過去を見れば初代クラウンも当時の日本としてはずいぶんモダンなデザインといわれたらしいが、そこまで古くなると担当もよくわからないので、1970年代前後以降の国産車の中で殿堂入りにふさわしいクルマを見て行こう。

 まずトップバッターとして取り上げたいのは、1969年登場のいすゞの117クーペだろう。

 若き日のジウジアーロがデザインした117クーペは細いピラー、大きいガラスエリア、綺麗にスラントしたリアガラスなどなど繊細なデザインは当時、一歩抜き出ていた。今でも中古車市場では人気で、丸目の初期型は200万円以上。

 そのジウジアーロがデザインした1981年登場の初代ピアッツァも日本車史上に残るデザインの名車。

上は177クーペ、下がピアッツァ。当時いすゞは洗練されたデザインを連発していたのがわかる
上は177クーペ、下がピアッツァ。当時いすゞは洗練されたデザインを連発していたのがわかる

 同じいすゞのビークロスも殿堂入りにふさわしいデザインだ。

ビークロスはいいデザインながらあまり売れなかった、残念!
ビークロスはいいデザインながらあまり売れなかった、残念!

 もともとは1993年の東京モーターショーに出品されたコンセプトモデルが元だが、市販車はほぼそのままのスタイリングで発売。

 当時、SUV(クロカン)といえば無骨なスタイルのほとんどだった中で、ビークロスは超未来的。世界を見回してもこんなクルマはなかった。

 ベースとなったのはミュー/ウイザードだ。今こうして見るといすゞはいいデザインのクルマを輩出していたことがわかる。

 トヨタ車の中で1970年代以降デザインに秀でていたクルマといえば、筆頭は初代ソアラ。

おなじみの初代ソアラ
おなじみの初代ソアラ

 ロングノーズの2ドアクーペは当時、類を見ない美しさだった。そしてもう1台当時デザインで話題になったのが1984年登場のカローラFX。それまでの2BOXデザインの流れを断ち切りスポーツワゴンとしてのデザインを確立した。

初代カローラFX
初代カローラFX

 もちろん当時、日産車やマツダ車の中にもデザインのいい車があったが、時代を切り開いたデザインかどうかと問われると、残念ながらそこまではいっていないんじゃないかと思う。そんななかで、近年日本車史上で新たなデザインの新境地を開いたといえば現行のGT-Rだろう。

こんなテイストはいままでなかった
こんなテイストはいままでなかった

 それまでスポーツカーといえば流麗なデザインを用いることが多かったなかで、あえてそれをせずまるでアニメのガンダムをモチーフにしたようなデザインを採用、まさに新境地を切り開いた。

 さて、こうして見てきたBC流クルマ殿堂、いかがでしたでしょうか。ぜひ日本自動車殿堂にも取り入れて欲しいもんです。


【番外コラム】世界を賑わすいろんな殿堂あります

自動車殿堂

 2001年に設立された特定非営利活動法人の自動車殿堂は、日本の自動車産業に貢献した人や現在第一線で活躍している人を表彰した人を殿堂入りとして顕彰し、永く後世に伝承してゆくことを主な活動とする団体。

 殿堂入りしている人は現在70名。ホームページでは過去の名車をリストアップした歴史遺産車や日本カー・オブ・ザ・イヤーに表彰されたイヤーカーなどが紹介されている。

http://www.jahfa.jp

野球殿堂博物館

 野球殿堂は、日本の野球の発展に大きな貢献をした人々の功績を永久に讃え、顕彰するために1959年に創設された殿堂(博物館)。

 殿堂入りすると、表彰レリーフ(ブロンズ製胸像額)を、野球殿堂博物館内の殿堂ホールに掲額し、永久にその名誉を讃えてくれる。この野球殿堂入りには競技者表彰と特別表彰がある。

 もともとは1939年に設立されたアメリカの野球殿堂をお手本にしている。東京ドーム内にあり実際に見学することも可能だ。

http://www.baseball-museum.or.jp

日本サッカー殿堂

 公益財団法人・日本サッカー協会が表彰する日本サッカー殿堂。文京区にある日本サッカーミュージアム内にあり、現在、日本サッカーに貢献した多くの先駆者が掲額されている。

 候補者は、「日本サッカーに永年にわたって顕著な貢献をした者」、「満60歳以上の者(物故者は含まれない)」というふたつの資格要件で選出。

 さらに、プレーヤー以外で多大なる貢献をした者、委員会が特に認める顕著な活躍をしたプレーヤー、歴代会長などは、特別選考として投票を行わずに候補者として推薦されている。

http://www.jfa.jp/football-museum

競馬の殿堂

 日本競馬会JRAが設立した競馬の殿堂は、中央競馬の発展に特に貢献があった馬や調教師、あるいは騎手について、その功績を讃え、顕彰を行っている。

 選定された顕彰馬および顕彰者のブロンズ像、絵画(肖像画)などの関係資料は、東京競馬場内のJRA競馬博物館に展示されている。

http://www.jra.go.jp/gallery/dendo

インターネット殿堂

 インターネットの誕生からおよそ30年。そのインターネット界に対して貢献してきた人や技術者、経営者などが顕彰されるのがInternet Society’s Hall of Fame。昨年は早稲田大学情報理工学科の教授、後藤滋樹氏が顕彰された。

https://www.internetsociety.org

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