■2種類用意されたエンジンの選び方
ヤリスクロスにはノーマルエンジンとハイブリッドが設定される。GとZの場合、ハイブリッドの価格は、ノーマルエンジンに比べて37万4000円高い。
その代わりハイブリッドは購入時に納める税金が安い。Gの場合、2020年度の実績で、購入時の税額はノーマルエンジンのGを約7万円下まわる。従ってノーマルエンジンとハイブリッドの実質価格差は、約30万円に縮まるわけだ。
そして実用燃費がWLTCモード燃費、レギュラーガソリン価格が1L当たり145円とした場合、1kmの走行に要するガソリン代は、ハイブリッドGが4.8円、ノーマルエンジンのGは7.3円だ。ハイブリッドは1km当たり2.5円安く、ガソリン代の節約で30万円の実質価格差を取り戻せるのは、12万kmを走った頃になる。
1年の走行距離が1万kmなら12年を要するが、1.5万kmを走るユーザーであれば8年で済む。ハイブリッドとノーマルエンジンの選択は、走行距離に応じて決めると合理的だ。
ただしハイブリッドはモーター駆動を併用するので、例えば高速道路を巡航中、登り坂に差し掛かってアクセルペダルを緩く踏み増した時など、ノーマルエンジンに比べてノイズが高まりにくい。
ノーマルエンジンは、3気筒特有の少し粗いノイズが響く。最終的な選択は、販売店でハイブリッドとノーマルエンジンの試乗車を乗り比べて判断したい。
■グレードとメーカーオプションのベストチョイス
推奨度が最も高いグレードは、ノーマルエンジン、ハイブリッドともGになる。GはXに6万500円でオプション設定される16インチアルミホイール、1万6500円のバックガイドモニター、後席の4:2:4分割可倒機能などが加わって、ディスプレイオーディオはXの7インチからGでは8インチに拡大する。
これらの装備を価格に換算すると15万円相当だが、ハイブリッドG(239万4000円/2WD)の価格は、Xに比べて11万円の上乗せに抑えた。装備を充実させた上でハイブリッドGは買い得だ。
ノーマルエンジンのG(202万円/2WD)は、Xに比べて12万4000円高いが、ハイブリッドとは加わる装備も異なる。ノーマルエンジンのXはエアコンがマニュアルで、Gではオートに上級化するため、価格差も1万4000円拡大した。つまりエアコンのオート機能は1万4000円というわけだ。
ベストな買い方は、Gに7万1500円のフルLEDヘッドランプ、4万9500円のブラインドスポットモニター+リヤクロストラフィックオートブレーキ、3万3000円のパノラミックビューモニターを加える方法だ。オプションを含めた総額は、ノーマルエンジンが217万4000円、ハイブリッドは254万8000円になる。
■必要に応じて検討したい個性派グレード
ノーマルエンジンとハイブリッドのGに、8万3600円の18インチアルミホイールまでオプション装着する時は、ほかの装備も充実させたノーマルエンジンのZ(221万円/2WD)、あるいはハイブリッドZ(258万4000円/2WD)を選ぶ方が得策だ。
ZはGに比べて19万円高いが、フルLEDヘッドランプと18インチアルミホイール(Gのオプション価格は合計15万5100円)が標準装着され、さらにシートの電動調節機能や自発光式メーターなども標準装着される。
つまり上級装備を充実させたいユーザーには、Zが買い得グレードだ。ZはGに比べて19万円高いが、プラスされる装備の価格換算は22万円相当になる。
上級の個性派グレードまで含めた結論をいえば、装着するオプションを安全装備に限る時はGを選ぶ。18インチアルミホイールなども欲しい時はZという選び分けを行いたい。
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