■基本骨格もルーテシアと同じ新型に刷新
この2代目ジュークに使われているCMF-Bプラットフォームは、欧州でVWゴルフに次いで人気のあるコンパクトカー「ルノー クリオ(日本名:ルーテシア)」にも使われているプラットフォーム。
日本よりも常用スピードレンジが高い欧州向けに開発された、ルノー日産の次世代上級小型車向けプラットフォームであり、車体剛性の向上や高剛性サスペンションなどにより、走行安全性と快適性、質の高い走りを狙って開発されたものだ。
初代ジュークはVプラットフォームであった。2010年の現行マーチ(K13型)から使用が始まった、ちょっと古めのプラットフォームであり、2代目ノート(E12)、2代目ラティオ(N17)など、「小型のFF車で安めのクルマ」が対象だ。
これを考えると、ジュークは2代目で、走りの性能が飛躍的に向上しているはずだ。
パワートレインは、初代ジュークにあった排気量1.6L直4ターボがなくなり、2代目は排気量1.0L直3ターボへとダウンサイジングされている。トランスミッションは7速DCTもしくは6速MTだ。
なお現時点では、e-POWERはラインナップになく、欧州市場で初のe-POWER搭載車となるのは、3代目キャシュカイになる模様だ。
さらには、空気圧モニタリングシステムや6つのエアバッグも備え、ボリュームのあるフロントシートには、ヘッドレストの左右にBOSE製スピーカーが装備されており、ドライバーを包み込むような極上のサウンドを提供するなど、インテリアも凝っている。
■新型ジュークよりキックスの方が日本向き!?
一方、日本に導入されたキックスは、もともとは2016年から南米で販売されていたモデルだ。
2020年6月の日本導入に向けたマイナーチェンジで、全面的にブラッシュアップされている。ヘッドライトを大型化し、グリル周りの押し出しを強め、シャープなフロントマスクへと変わった。
ボディサイズは全長4295ミリ×全幅1760ミリ×全高1585ミリ。2代目ジュークに対して、全長は85ミリ大きく、幅は40ミリ小さい。トヨタC-HRや、ホンダヴェゼルと比べてみても小さく、日本人がコンパクトSUVとみなせるサイズに、ぴたりと当てはまっている。
ご存じのとおり、パワートレインは排気量1.2Lによるエンジン発電のe-POWERのみ。プロパイロットや各種の先進安全装備も搭載されている。
また、価格面でも、キックスは2代目ジュークよりも、日本市場に適している。キックスのプラットフォームは、初代ジュークで使われていたVプラットフォーム。
アジアやインド、南米のような途上国向けとして開発されており、走行性能はほどほどにしてでも、低コストかつ軽量に特化したところが、最大の武器だ。
加えてキックスは、南米やアジア、北米など、世界各国で販売されており、ご存じのとおり日本仕向けはタイ生産だ。
対して2代目ジュークは、欧州専売であり、生産工場はイギリスのサンダーランド工場のみ。直線距離で約900キロのタイと、約9000キロのイギリス。完成車は海上輸送なので実際の移動距離はもっと伸びるが、ロジスティックスは当然、タイの方が近く、納期も輸送コストもはるかに安い。
そのため、日本市場での販売価格は、2代目ジュークの方がおそらく、20万円は高くなる。
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