2代目ジュークはどう進化したのか? 日本では幻の新型に!!

■基本骨格もルーテシアと同じ新型に刷新

ボディサイズは、全長4210(+75)mm×全幅1800(+30)mm×全高1570(+25)mm、ホイールベースは2636(+106)mmと、全体的に一回りほど大きくなった(※カッコ内は初代ジュークに対する差)
ボディサイズは、全長4210(+75)mm×全幅1800(+30)mm×全高1570(+25)mm、ホイールベースは2636(+106)mmと、全体的に一回りほど大きくなった(※カッコ内は初代ジュークに対する差)

 この2代目ジュークに使われているCMF-Bプラットフォームは、欧州でVWゴルフに次いで人気のあるコンパクトカー「ルノー クリオ(日本名:ルーテシア)」にも使われているプラットフォーム。

 日本よりも常用スピードレンジが高い欧州向けに開発された、ルノー日産の次世代上級小型車向けプラットフォームであり、車体剛性の向上や高剛性サスペンションなどにより、走行安全性と快適性、質の高い走りを狙って開発されたものだ。

 初代ジュークはVプラットフォームであった。2010年の現行マーチ(K13型)から使用が始まった、ちょっと古めのプラットフォームであり、2代目ノート(E12)、2代目ラティオ(N17)など、「小型のFF車で安めのクルマ」が対象だ。

 これを考えると、ジュークは2代目で、走りの性能が飛躍的に向上しているはずだ。

 パワートレインは、初代ジュークにあった排気量1.6L直4ターボがなくなり、2代目は排気量1.0L直3ターボへとダウンサイジングされている。トランスミッションは7速DCTもしくは6速MTだ。

 なお現時点では、e-POWERはラインナップになく、欧州市場で初のe-POWER搭載車となるのは、3代目キャシュカイになる模様だ。

 さらには、空気圧モニタリングシステムや6つのエアバッグも備え、ボリュームのあるフロントシートには、ヘッドレストの左右にBOSE製スピーカーが装備されており、ドライバーを包み込むような極上のサウンドを提供するなど、インテリアも凝っている。

■新型ジュークよりキックスの方が日本向き!?

ジュークに代わって日本市場に登場したキックス。デザインのブラッシュアップや低コスト化で日本市場に最適化している
ジュークに代わって日本市場に登場したキックス。デザインのブラッシュアップや低コスト化で日本市場に最適化している

 一方、日本に導入されたキックスは、もともとは2016年から南米で販売されていたモデルだ。

 2020年6月の日本導入に向けたマイナーチェンジで、全面的にブラッシュアップされている。ヘッドライトを大型化し、グリル周りの押し出しを強め、シャープなフロントマスクへと変わった。

 ボディサイズは全長4295ミリ×全幅1760ミリ×全高1585ミリ。2代目ジュークに対して、全長は85ミリ大きく、幅は40ミリ小さい。トヨタC-HRや、ホンダヴェゼルと比べてみても小さく、日本人がコンパクトSUVとみなせるサイズに、ぴたりと当てはまっている。

 ご存じのとおり、パワートレインは排気量1.2Lによるエンジン発電のe-POWERのみ。プロパイロットや各種の先進安全装備も搭載されている。

 また、価格面でも、キックスは2代目ジュークよりも、日本市場に適している。キックスのプラットフォームは、初代ジュークで使われていたVプラットフォーム。

 アジアやインド、南米のような途上国向けとして開発されており、走行性能はほどほどにしてでも、低コストかつ軽量に特化したところが、最大の武器だ。

 加えてキックスは、南米やアジア、北米など、世界各国で販売されており、ご存じのとおり日本仕向けはタイ生産だ。

 対して2代目ジュークは、欧州専売であり、生産工場はイギリスのサンダーランド工場のみ。直線距離で約900キロのタイと、約9000キロのイギリス。完成車は海上輸送なので実際の移動距離はもっと伸びるが、ロジスティックスは当然、タイの方が近く、納期も輸送コストもはるかに安い。

 そのため、日本市場での販売価格は、2代目ジュークの方がおそらく、20万円は高くなる。

次ページは : ■なぜ2代目ジュークではなくキックスを導入したのか

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