■なぜ2代目ジュークではなくキックスを導入したのか
欧州向けにひとまわり大きくし、走りの性能を向上させ、ちょっと上級となった2代目ジュークを日本にもってくると、さらに高価となってしまう。
日産としては、日本向けには、日本に適したサイズであるキックスの上級グレードを導入(生産国のタイではガソリンエンジンの廉価グレードもある)した、ということなのであろう。
日本導入に際して、キックスは「e-POWER化」が必須であった。だが、275万円に抑えたキックスであっても「高い」と言われているのに、これが2代目ジュークであったら、車両価格だけで350万円近くにもなると考えられる。
2代目ジュークは、国内に持ってくれば「日産のコンパクトSUV」だ。輸入車並みの価格となったBセグメントの日産車に、勝ち目はどれほどあるだろうか。
日本でも販売されていた初代ジュークは、日本の追浜工場で生産されていたので、そこへ2代目ジュークの製造ラインをつくる方法もあるだろう。しかし、新型車に合わせて製造ラインを一本構築するのには、非常に大きな投資が必要だ。
2代目ジュークは、より販売が見込める欧州に生産工場をおき、タイでつくったキックスを日本へ輸入するのが、いちばんコスパがいい、と日産は判断したのだろう。
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