■登録済み未使用車は減少傾向にあるのか?
現在の登録済み未使用車事情は、ネガティブな要素を打開するため、減少傾向にある。それは新車ディーラーへの過剰なノルマが、社会的に問題として捉えられたことが主な原因だ。
しかし、輸入台数を減らすことは、様々なデメリットも生む。そのため、登録済み未使用車となるはずだった新車たちは、活躍の場を変え、試乗車やセールスマンの移動車、代車などのPRや顧客サービス用のクルマとして短期間の活用後、中古車として放出されるようになった。
もちろん、それらの車両は、何らかの形で使用されているので登録済み未使用車とは呼ばれない。
しかも、新型コロナウイルスの世界的な流行が始まった2020年は、工場の操業停止などで自動車の生産台数が減少。その一方で、安全な移動手段としてクルマが再評価され、即納が可能である中古車の人気も高まった。
軽自動車を含め、前年割れを記録した新車に対して、中古車全体の落ち込みは、新車よりも少なかった。しかも輸入車に限定すれば、前年越えを記録したほど。このため、2020年の中古車市場は、強気の展開となっていた。
■現在、どんな登録済み未使用車があるのか調べてみた
しかし、先にも述べたようにさまざまな事情で登録済み未使用車は発生するため、今も売り物がないわけではない。そこで輸入車の登録済み未使用車について調べてみた。
■サンプル1:メルセデス・ベンツA200d 車両価格:408万円
2020年式、走行距離:50km以下、車検:2023年11月、色:ホワイト、オプション:AMGラインおよびナビゲーションパッケージ付き。
■サンプル2:BMW 320i Mスポーツ 車両価格:538.8万円
2020年式、走行距離:200km以下、車検:2023年11月、色:ホワイト、オプション:レザーシートなど。
■サンプル3:アバルト595コンペティツォーネ 車両価格:339.9万円
2020年式、走行距離:10km以下、車検:2023年1月、色ホワイト、その他:右ハンドル仕様のMT。
■サンプル4:プジョー208アリュール 車両価格:225万円
2020年式、走行距離:10km以下、車検:2023年11月、色:イエロー。
■サンプル5:ボルボXC60 D4 AWDモメンタム 車両価格:578万円
2020年式、走行距離:50km以下、車検:2023年12月、色:パール、オプション:レザーシート。
■サンプル6:ジープ ラングラー アンリミテッド サハラ2.0T 車両価格:589万円
2021年式、走行距離:20km以下、車検:2024年1月、色:ホワイト。
■サンプル7:VW Tクロス 1STプラス 車両価格:285万円
2020年式、走行距離:10km以下、車検:2023年9月、色:ターコイズブルー。
大手中古車検索サイトや認定中古車検索サイトで調べてみたが、全体的には、やはり輸入車の登録済み未使用車は少ないようだ。
今回のサンプルには、500万円台までの多くの人が検討することの多いモデルをピックアップ。新車価格と比べると、「A200d」でも、新車時のメーカーオプションを含めた価格に比べ、70万円以上安い。
値引きがシブそうな人気ホットハッチ「アバルト595」でも、価格差は約43万円にもなる。ところが、全てがお得かといえば、そうでもない。例えば、サンプル6の「ラングラー」は、流行りのSUVのなかでも特に人気が高い。
しかも今年の登録車であるため、その価格差は24万円と新車に近い。このように全ての登録済み未使用車が、必ずしも超お買い得とは限らないのだ。