RAV4が不調!? トヨタSUV販売に大きな格差の実態!

RAV4が不調!? トヨタSUV販売に大きな格差の実態!

 コロナ禍で全体の新車販売台数は低調でも、2020年トヨタは50%までシェアを拡大させ、車種別の販売台数ランキングでも上位を独占するほど好調。そのトヨタ車のなかでも好調な売れゆきを見せているのがSUVだ。

 ところが、そんなトヨタのSUVでも販売台数に大きな格差が生じているのだった。ハリアー、ヤリスクロスは絶好調、ライズは好調。これに対して、RAV4は一時期の勢いを失い、C-HRは大きく失速。明暗を分けている。

 この売れゆき格差の要因は? そして、あれほど大人気車だったRAV4やC-HRが苦戦している理由は何なのか?

文/渡辺陽一郎  写真/TOYOTA、ベストカー編集部

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■好調なトヨタのSUVだが、モデルごとに売れゆきに大きな格差が!

1万台に迫る売れゆきを見せたヤリスクロス。ハリアーとライズを合わせてSUVのトップ3をトヨタが占める
1万台に迫る売れゆきを見せたヤリスクロス。ハリアーとライズを合わせてSUVのトップ3をトヨタが占める

 国内の販売1位メーカーはトヨタだ。1960年代前半以降、60年近くにわたって販売1位を守っている。

 2020年は、軽自動車まで含めた国内販売全体では、トヨタの占める割合はレクサスを含めて33%であった。それが小型/普通車に限ると、51%に跳ね上がる。理由は軽自動車の好調な売れゆきだ。

 2020年は、国内で新車として売られたクルマの37%が軽自動車だった。トヨタは小型/普通車が中心のメーカーだから、軽自動車を含めると販売比率が下がり、小型/普通車のみになると半数を超えるのだ。

 このトヨタ車のなかでも、最近は販売格差が広がっている。特に注目されるのはSUVだ。

 直近となる2021年2月の登録台数を見ると、コンパクトSUVのヤリスクロスは9420台を登録した。日本自動車販売協会連合会のデータは、ヤリスと合計して発表されるが、ヤリスクロスのみを算出すると前述の台数になる。

 SUVの2位はハリアーで8006台。この登録台数は前年の3.7倍だ。3位のライズは7901台で、前年に比べると21%減ったが、売れゆきは堅調な部類に入る。そしてヤリスクロス/ハリアー/ライズのトヨタ3車は、国内におけるSUVの販売トップ3となった。

■かつての人気車が……RAV4、C-HRはともに減少

ヤリスクロスに次ぐ台数となったハリアー。一方、同じトヨタのRAV4はハリアーの半分ほどだ
ヤリスクロスに次ぐ台数となったハリアー。一方、同じトヨタのRAV4はハリアーの半分ほどだ

 一方、同じトヨタのSUVでもRAV4は4220台で、ハリアーの約半数だ。前年と比べても26%減った。C-HRは2125台まで下がり、前年に比べると46%の減少だ。

 RAV4とC-HRは、かつて人気車だった。RAV4は2019年4月に発売され、同年4~9月には、1カ月平均で6550台を登録した。つまり2021年2月の1.6倍売れていた。

 C-HRは2016年12月に発売され、2017年1~6月には、1カ月平均で1万3217台を登録している。この販売実績は、当時の小型/普通車登録台数ランキングで、プリウスとノートに次ぐ3位であった。

 それが最近の1カ月当たりの登録台数は2000~3000台だから、C-HRの売れゆきは、4年ほどの間に最盛期の20%程度まで下落した。約80%の需要を失っている。

次ページは : ■共通点が多いハリアーに人気を奪われるRAV4

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