進化と買い得感のバランスに優れる3車
■ホンダ ヴェゼル(従来比:約4万円アップ)
日本で人気の高いコンパクトなSUVとあって改良に力を入れた。特にハイブリッド車は7速DCTの制御を含めて改良。
発進時の加速が以前よりも力強く感じられるようになり、走行中も7速DCTの変則制御が滑らかになった。
4WDの制御も見直され、雪道のカーブを曲がる時でも旋回軌跡が大きくなりにくくなっている。このほか静粛性やブレーキの操作感覚など、走りを総合的に見直した。
内装では前席の形状を変えて、肩回りのサポート性を向上させ、乗員の体を包む乗り心地に仕上げている。ただし、後席に変更はなく、前後席の座り心地の差は拡大した。
そのほか、安全装備のホンダセンシングは全車に標準装着。スマートフォンなどの接続機能も追加された。
価格は以前よりも約4万円高いが、「RS」はラゲッジルームハードボードも加えている。運転感覚の改善も含めると買い得感はアップした。
■スバル レガシィ(従来比:約9万円アップ)
2017年11月の改良では安全装備を大幅に充実させた。特に注目されるのは、スバル フォレスターに先行採用されたアダプティブドライビングビームの装着だ。
ハイビーム走行時に対向車などを検知すると、シェードが自動的に作動して、ハイビームを保ちながら相手車両の眩惑を抑える。さらに、ハンドルの向きに応じてヘッドランプの照射範囲を変える機能も備わる。
このほか後退時の緊急自動ブレーキも採用され、全車速追従機能付きクルーズコントロールは設定速度域を拡大した。
足回りの改善などにより走行性能も向上している。後席用USB電源を加えて、内装の質もアップした。
価格はアウトバックの標準仕様が改良前より8万6400円値上げされたが、実質的に10万円前後の機能を加えた。1万円少々ではあるが、割安になっている。
■マツダ ロードスター(従来比:約1万円アップ)
最も注目されるのはアダプティブLEDヘッドランプの設定だ。複数のLEDランプのうち、必要な箇所を消灯することで、ハイビーム状態を保ちながら対向車などの眩惑を抑える機能で、グレードに応じて標準装着、あるいはセットオプションで用意した。
売れ筋グレードでは、シート生地がファブリック(布)の仕様にもシートヒーターを加えた。さらにソフトトップモデルは後輪側の足回りを改善して、乗り心地や操舵感を向上させている。そのほか、ノイズを抑えて、メーターの視認性も高めた。
これらの変更を施しながら、価格の上乗せは1万800円だ。アダプティブLEDヘッドランプの消灯機能は、車線逸脱警報のカメラセンサーを利用して安価に追加した。仮に単体で装着すれば、4万円程度の価格上昇になる。そのため以前に比べて割安感はアップしている。
【渡辺陽一郎】
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