■カルディナはレガシィを意識しすぎた
長年販売の現場に立っていると、「このメーカーだから、このクルマは大ヒットした」と思えるクルマがいくつか存在する。レガシィもそのひとつだ。スバルが売ったからこそヒットした。
同じクルマをトヨタが売ったら、ヒットになっただろうか。答えは否だ。メーカーに色があれば、販売店にも色がある。売りやすい色と売りづらい色のクルマが存在し、レガシィのカラーは、トヨタにとって圧倒的に売りにくいものだと思う。
カルディナは、レガシィをとことん追い続けたことで、トヨタカラーが失われ、トヨタの売り方とマッチングしなかった。特に、カルディナを専売していたトヨタ店とトヨペット店では、やんちゃ坊主感が否めなかったはずだ。高級路線のディーラーでは、扱いにくさが目立つ。
カルディナとレガシィは、現在の86とBRZにどこか似ている。同じコンセプトのクルマでも、扱うメーカーが違えば、その評価も変わってしまうわけだ。
カルディナは、レガシィを意識しすぎた。フルモデルチェンジを繰り返すたびに、トヨタらしさを失ってしまったクルマのひとつだろう。
カルディナが、レガシィに寄せたクルマ作りではなく、もっとトヨタらしさを前面に押し出したクルマになっていたら、今頃どうなっていただろう。
レガシィが作った土俵で勝つことはできなくとも、ステーションワゴンという土俵の中では、勝機があったのかもしれない。
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