給油口や車検証に油種が記載されている
近年のクルマには、給油口のフューエルキャップに「ディーゼル(軽油)」「無鉛プレミアム(ハイオク)」「レギュラー」といったステッカーが貼られていることも多い。
これがあれば一瞬で油種がわかるが、何も表示がされていない場合でも「だいたいレギュラーでしょ」と、勘でいれるようなことは絶対にしないでほしい。前述したように、これが理由で、多くの燃料入れ間違いが起こっている。
セルフスタンドが普及し、ドライバーが気軽に給油できるようになったため、「燃料が非常に危険な物質」という認識が薄くなっていることもあるかもしれない。先日、スタンドで給油をしながらスマホを操作している方を見かけた。
昨今は、ガソリンスタンドにおいて、電子機器の使用による引火の可能性は低いとされているが、危険物を取り扱っている最中だという認識が不足しているような気がしてならない。実際多くのスタンドでは給油中の携帯電話の操作は禁止されている。
もし、そのクルマの油種がわからなければ、恥ずかしがらずにガソリンスタンドのスタッフに相談してほしい。スタッフが見当たらなければ、車検証を確認すればすぐにわかる。車検証の「燃料の種類」という項目には、その自動車に必要な燃料が記載されている。
「油種がわからない」となると焦ってしまって、どこで何を調べてばいいか頭から抜け落ちてしまうこともある。大事なことなのでもう一度書いておく。「油種が分からなければ車検証を見ましょう」。
他にも、自動車メーカーの公式サイトに載っている諸元表の使用燃料の欄を見れば、油種が載っている。スマホで調べれば出てくることなので、乗りなれないクルマの給油をする際は、事前に調べておけば安心だ。
万が一、間違えてしまったら
ガソリン車に軽油を入れた場合、軽油の混ざったガソリンが供給されると、エンジンの出力が下がり、加速が鈍くなり、アイドリングが不調になる。さらに、燃料タンクが空の状態で軽油だけを入れると、黒い排気ガスが出るようになり、やがてエンジンが止まる。
また、ディーゼル車にガソリンを入れた場合、最初のうちエンジンは動くのだが、すぐにパワーがなくなる。また、エンジン音が普段とは変わり、アイドリングが不安定となり、排気ガスも白くなる。噴射ノズルや燃料ポンプの交換までもが必要となり、高額の修理代がかかる場合もある。
ただし、「油種を間違ってしまった」としても、燃料を入れ替えれば大きな問題にはなりにくい。もちろん、燃料の入れ替えには、危険物取扱者の資格が必要であり、絶対に自分で何とかしようと思ってはいけない。エンジンは始動させずに、すみやかにガソリンスタンドのスタッフやJAFへ報告して指示を仰ぐのが、適切な対応だ。
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