まさかそんなもので逮捕も!? 意外に知らないクルマに積んではいけない車載工具


 DIYでクルマをいじっている人や、何か車両にトラブルが起きてもすぐに対処できるようにと、クルマに車載工具を積んでいる人は多いのではないだろうか。しかし、この車載工具が意外な落とし穴になるケースがある。

 しかし、実は車載工具を積んでいる…という人が、違反に問われてしまう工具などが存在することは意外に知られていないだろう。今回は、そういった実は車載してはいけないモノについて解説していきたい。

文/高根英幸
写真/AdobeStock(naka@AdobeStock)

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■クルマは保管庫としても使えるが、中身には注意!

 クルマの室内を、まるで自室のように利用しているヒトも最近は珍しくない。軽自動車であってもシートアレンジやキャンプ用品を活用することで、かなりくつろぐことができる。移動できるプライベート空間は便利で快適、重宝する存在であることは間違いない。

 それだけにクルマにはさまざまな道具を積んでおきたくなる、というもの。自室に置いておくと散らかりがちな雑貨をトランクに押し込んでおくヒトもいるだろうし、いつでも遊びに行けるように釣り道具やスケボーなどを積んでいるヒトもいるのではないだろうか。

 刃渡り6cm以上の刃物など、銃刀法に触れるようなモノ、違法薬物や爆発物は所持できないだけに、クルマに積んでおくこともできないことくらいは知っているだろうが、実はそれ以外にも家に置いておくのは問題ないモノでも、クルマに積んでおいたり持ち歩いているだけで、罪に問われかねないモノは存在するのだ。

 それは軽犯罪法第1条2号にある、「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は、拘留又は科料に処する」というもの。

 これはハサミやカッターナイフ、刃渡りが6cm未満のナイフが内蔵されている十徳ナイフ(アーミーナイフ)のようなものも凶器として携帯が禁止されている。

カッターやハサミも理由なく携帯していると、軽犯罪法の処罰対象となる。趣味で所持しているアーミーナイフも単に持ち歩いていれば、「ワイルドだろう?」では済まされない(glebchik@AdobeStock)

 便利だからと小さなアーミーナイフをキーホルダーにして身に付けているヒトもいるが、これは取り締まりの対象になることもあるので注意したい。護身用として持っている、というのも言い訳にならない。また軽犯罪法なので罰則は軽いが、これだけでは済まない場合もあるので気を付ける必要があるのだ。

■凶器以外にも、積んでいてはNGな道具もある

 もうひとつ、特定の道具の携帯を規制する特殊開錠用具所持禁止法(正式名は特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律)という法律がある。これは通称ピッキング法とも呼ばれ、建物のドアなどの鍵を開けたり、こじ開けたりする道具についての規制だ。

 いわゆるピッキングに必要な専門の道具は携帯が当然NG(錠前師などは当然OK)となるのは理解できるだろうが、それ以外にも指定侵入工具と呼ばれる工具も隠して携帯することが禁じられている。

 これは先端部が平らで、その幅が0.5cm以上、柄を含んだ長さが15cm以上であるマイナスドライバーとバールなどが該当する。それに電動ドリルもドリル本体と刃の両方揃った状態では、指定侵入工具と見なされるので気を付けたい。有罪となれば1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金と、なかなか厳しい。

 クルマに標準で備わっている車載工具には、そうした規制の対象なるようなモノはないが、クルマの整備に使う工具の中には、特定侵入工具に該当するようなモノがいくつもある。ファンベルトの張りを調整するための長いツールなどバール自体がその代用として一般に使われている工具もある。

 クルマの工具というのは、よく使われるハンドツール以外にも、大きな力が必要な作業を助けてくれる特殊で頑丈な工具や、普通の工具では脱着が難しい作業を助けてくれる専用工具などもあり、それらはクルマを自分で整備しないヒトから見れば、凶器だと勘違いされてしまうケースも有り得る。

 こうしたクルマを整備するための工具でも正当な理由なくクルマに積んでおくと、検問時などに発見されると厄介なことになりかねない。月極駐車場などでDIYメンテナンスを楽しんでいるユーザーの中には、整備の工具をクルマに積み込んで保管しているようなヒトは、車上荒らしや部品泥棒などの誤解を受けないように気を付けよう。

最近のDIYブームもあり、車内にさまざまな道具類を積んでいる方も多いのではないか。ただ窃盗や器物破損などへの使用を疑われるリスクも考えなければならない(Daniel Jedzura@AdobeStock)

 また、これまで挙げた凶器や特定侵入工具のようなモノでも殺傷能力があると判断されるモノをクルマに積んでいて、2名以上で乗車していたり、2台以上のクルマで集合していれば、凶器準備集合罪に問われる可能性も出てくる。これは2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる。

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