新型86/BRZ公開は初代モデル中古車の価格に影響を与えたか?

■86の中古車は約1,000台と豊富に流通。また前期型が圧倒的に多い

 まずは、86の中古車相場から紹介する。現在(4月下旬)、86の中古車は約1090台流通している。3カ月前の時点では、約1010台だったので、80台も増加している。

 そして平均価格は3カ月前が約214万円で、今月は約204万円と3カ月で10万円の値落ちを記録。しかも直近1カ月で5万円の値落ちとなっている。この値動きを見る限り、中古車相場にニューモデル発表は中古車相場に影響を与えていると言えるだろう。

 現在の86の中古車の価格帯は約95万~約745万円と非常に幅広いのが特長。500万円以上の価格をつけているクルマは、14-60Rをはじめ、14R、GRMNといったコンプリートカーが中心だ。またファイナルモデルといえる86台限定のブラックリミテッドも約410万~約490万円と高値となっている。

 生産終了したばかりだが、2020年~2021年式で、走行距離500km以下という「おろしたて中古車」は約10台しかない。一方、100万円以下の価格を付けている中古車は約6台。残念ながら全車6速AT車でMT車は約119万円からとなっている。

86前期型。ATであれば、100万円以下の車両もある。スポーツカーとはいえ、MTとATの比率は、ほぼ半々と意外にAT比率が高い。新型のほうのAT車にはアイサイトが装着されるのも、AT需要がある事への対応だろう 
86前期型。ATであれば、100万円以下の車両もある。スポーツカーとはいえ、MTとATの比率は、ほぼ半々と意外にAT比率が高い。新型のほうのAT車にはアイサイトが装着されるのも、AT需要がある事への対応だろう 

 流通している86の中古車のトランスミッションを見てみると、6速MTが約51%。一方6速ATは約49%とほぼ半々となっている。グレードでは、約27.6%と最も多いのは2.0GTのMT車。次いで約25.8%の2.0GTのAT車、そして、2.0GTリミテッドのAT車が約14.5%で続いている。

 また、流通台数は少ないものの特別仕様車や外観デザインを変更したスタイルCbというモデルも約6台流通している。2012年~2016年7月までの前期型の中古車は約772台。そして2016年7月以降の後期型は約318台と圧倒的に前期型が多くなっている。

■対するBRZは330台程。価格的にはほぼ86と同様。MTの比率が高いのも特徴

 続いてはBRZ。現在、BRZの中古車の流通台数は約327台。3カ月前の2021年1月時点では約290台だったので微増という状況だ。

 平均価格は3カ月前が約194万円で、今月は約189万円で5万円の値落ち幅を記録。この5万円の値落ち幅は直近の1カ月で記録したものなので、86同様に新型公開の影響はあったと言える。

86にくらべると流通量は少ないが、こちらも前期型はまだ見つけやすいか。86と価格差がないうえ、MT車比率も高いので、MT車を希望ならば「BRZ」 の選択も大いにアリだ
86にくらべると流通量は少ないが、こちらも前期型はまだ見つけやすいか。86と価格差がないうえ、MT車比率も高いので、MT車を希望ならば「BRZ」 の選択も大いにアリだ

 BRZの中古車の価格帯は約98万~約500万円。そのうち100万円以下の中古車は1台しかなく、こちらもAT車だった。MT車は118万円からで86と同じ水準となっている。

 一方の高額車は500万円台にわずか1台あるだけで、しかもアフターパーツメーカーの過給器を装着したチューニングカー。この1台を除くと390万円まで下がるのが特長だ。BRZの中古車では実質的に最高値は約390万円となっている。

 BRZは86より先に生産終了していることもあって高年式、低走行の「おろしたて中古車」は流通していないのが特長だ。

 流通しているBRZの中古車のトランスミッションを調べてみると、6速MT車が約60.5%、6速AT車が約39.5%と6速MT車の比率が86より10ポイントも高くなっているのだ。もちろん絶対台数は86のほうが多いがBRZのほうがMT車は見つけやすいともいえる。

 BRZの中古車のグレード構成は、最も多いのが約34.2%の2.0SのMT車。次いで約24.7%の2.0SのAT車。そして2.0RのMT車が約7.2%となっている。ブレンボ製のブレーキを装着したGTは最も少なく、BRZのみに設定されたSTIスポーツのMT車はわずか16台しか中古車が流通していない。

後期型GT。もともと後期型の流通量が少ないうえ、GTやSTIといった上級グレード車は希少車となっている。価格も高いが、見つけたら即買いが必須かもしれない
後期型GT。もともと後期型の流通量が少ないうえ、GTやSTIといった上級グレード車は希少車となっている。価格も高いが、見つけたら即買いが必須かもしれない

 それもそのはず、前期型が約240台。一方2016年7月以降の後期型は約87台しか流通していないのだ。86以上に前期型の割合が多くなっているのがBRZでその後期型のみのGTやSTIスポーツは稀少グレードとなっているのだ。

次ページは : ■お手頃なスポーツカーが減る中、今後も安定した価格帯で推移するとみられる

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