【86/BRZら国産MT車ベスト5】『操る楽しさ』極めた3ペダルはコイツだ!! 

 楽(らく)してちゃ車は楽しめない!! 速さや快適さを求めるならAT(=オートマ)がいい。でも、操る楽しさは“自動化された変速機”じゃあ味わえない。

 最新の国産MT(マニュアルトランスミッション)車のなかでも特に操る楽しさに溢れるモデルはどれか!?

 硬派なスポーツモデルから意外なモデルまで『今、日本で買えるMT車』のベスト5をノミネート!!

文:松田秀士/写真:編集部


WRX、Z…硬派な2台は改良でさらにMTの楽しさアップ!!

 現在では、モータースポーツもF1を筆頭に2ペダルというのがトレンド。ま、モータースポーツの場合はそれでもマニュアルシフトなので、クラッチ要らずというだけのことなのだが。

 とはいえ、MT車だって上手に扱えばクラッチを踏まなくてもアップ&ダウンシフトができることも知っておいてほしい。

 ギヤをカリッ!っと鳴かしてしまうこともあるだろうけど、うまくエンジン回転を合わせて、吸い込まれるようにシフトできた時の快感は、それは気持ちのいいものだ。

 さて、最新MT車の中でボクが推薦するのは、まず最近ビッグマイナーチェンジしたばかりのWRX STIだ。

■スバル WRX STI

スバル WRX STI

 このモデルがMTに向いているのは8000rpmという高回転型エンジンであるため。何回転でシフトアップするか、シフトダウンするか、ということが、回転幅が広いので選択の余地がいくつもある。

 シフトアップすると、次のギヤに入れクラッチを繋いだ瞬間にエンジン回転が落ちるのだが、このときに何回転にあるのか、それがトルクバンドに乗った回転数にあるのか、こういうことを考えて各ギヤが設定されている。

 そこを自分の好きな回転でシフトして、エンジンのトルクを感じながらアクセルのレスポンスを楽しむ。こういったことが、エンジン回転の幅があるから楽しめる。

 また、ダウンシフトした時に、7000~8000rpmになるようにタイミングとってシフトする。これを、ヒール&トゥでブレーキングしながら正確に行えると、効率的な減速が行える。

 昔、N1耐久レースを走っていた時は、ブレーキに負担をかけないために最大限エンジンブレーキを活用する必要があり、オーバーレブさせないで使い切るテクニックが必要だった。

 WRX STIはモノブロック構造の6ポットキャリパーに進化して、ブレーキペダルの剛性感がアップしたから、ヒール&トゥも正確に行える。MTとして理想的なモデルに仕上がったね。

■日産 フェアレディZ

フェアレディZ

 そして、次にお勧めなのがフェアレディZだ。Zもちょうど7月にマイナーチェンジが実施され、エクステリアがよりスポーティになった。

 メカニカル面では、クラッチが見直されペダル踏力が軽くなり半クラッチも使いやすくなっている。つまり、MTとしての使い勝手が向上しているのだ。

 もともとZはMTとしての操作性に着目していて、ヒール&トゥ操作をしなくてもクラッチを切っただけで自動的にエンジン回転を同調させるシンクロレブ機構を備える。

 この機構を使ったときと、使わずヒール&トゥを行いスキルが向上したかを自己採点するのにももってこい。走りを研究しながらより楽しめる。

 エンジンも今回バルブ機構にVVEL(バルブ作動角・リフト量連続可変システム)が採用されて、よりレスポンスが向上しているので素早いシフト操作が生きてくる。

 低いヒップポイントはレーシングカーを想像させ、少し高めの位置にシフトレバーがあるから、ちょっとしたレーサー気分が味わえる。

シフトレバー

“テッパン”の86からCX-3に軽スポーツのMTも面白い!!

■マツダ CX-3

CX-3

 さて、これまでの2台と全く正反対の個性でMTを楽しめるのがSUVのCX-3。最近2.0Lガソリンエンジンモデルが追加されたが、MTモデルはディーゼルエンジン搭載車にしか設定されていない。

 このディーゼルモデルのMTも違った意味で面白い。WRX STIでは、その高回転域まで回せるエンジン特性がMTに向いている、と説いた。

 では、なぜ回転幅の狭いディーゼルでMTが面白いのか? それは燃費だ。ATと違いシフトポイントとアクセルの踏み方を工夫することで、驚くほど燃費がよくなる。

 例えば、加速時に下り勾配などストレスの少ない路面状況では、1速飛ばしのシフトアップも効果的。さらに、シフトダウンでも1速飛ばすことでストレスを軽減できる。

 スムーズに他の交通の流れに同調しながら、経済的に運転するテクニックも身に着けられるというもの。

 低回転域にトルクのあるディーゼルエンジンの場合、1速高いギヤで走ることができるので、ATとは違って、より静粛で効率の良い走りがMTにはあるのだ。

■トヨタ 86/スバル BRZ

86/BRZ

 もちろん、86/BRZも忘れてはならない。このモデルこそMTで乗ってもらいたい車。多くを語る必要はないが、やはり水平対向エンジンによる低重心なハンドリング、軽量なボディは走りのためにだけ作られた硬派モデル。

 トランスミッションがZと同じで、手を伸ばした真下にあるから、直にシフトするダイレクト感が楽しめる。歯車(ギア)の噛み合う振動感までも手に伝わって、ちょっとしたトランスフォーマー感覚が味わえるのだ。

■スズキ アルトワークス

アルトワークス

 そして、最後にお勧めなのがアルトワークス。軽自動車も最近CVTなど2ペダルが当たり前になってきているが、軽自動車こそMTをお勧めしたい。

 理由は、MTがATやCVTに比べて軽量だからだ。軽自動車は、全体重量が普通車に比べて軽いので、エンジンやトランスミッションの重量がハンドリングに与える比率が大きい。

 さらにFF車はエンジンとトランスミッションが並列の横置き。つまり、フロント荷重はMTの方が圧倒的に有利なのだ。

 アルトワークスのシフトフィールは遠隔操作するFFのものとしてはとてもよく、軽量なMTによってフロントの応答性も高い。

 また、絶対的パワーは小さいがレスポンスのいいエンジンをMTのシフト操作で上手にコントロールした時の満足感は大きいのだ。

 MTモデルは、左右の手足が協調して、しかも別々の動きをしてコントロールしなくてはならない。これは脳をフル稼働させている状態で、脳トレにもなるしエイジングを遅らせる効果もある。2ペダルで楽ばかりしてちゃ人生は楽しめないぞ。

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