■ホンダ独自・35年に渡る「自動運転構想」が結実
「トラフィックジャムパイロット」が作動している時は、ハンズフリーはもちろん、車内で動画の視聴やナビ操作なども許される。
2020年4月の法改正で許可されたものだが、「ただちにドライバーが運転交代できること」が条件となっている。
このためホンダは「動画やスマートフォンはナビの画面で見てほしい」としている。
運転交代が必要な時に出る各種の警告、通知のひとつがナビ画面のため、わかりやすいというのがその理由。
もちろん、それ以外にも音、メーターパネルの色でも通知が行われ、最終的にはシートベルトを引っ張るという機能まで備えている。
「トラフィックジャムパイロット」は1000万通りのシミュレーションと、全国130万kmに及ぶ実証実験走行で安全を確保している。
フロントセンサーカメラが2個、全周囲を見るライダーセンサーとレーダーセンサーが5個ずつと、12個の異なるセンサーを二重、三重に使っているほか、ドライバーが交代できる状態にあるかを検知する「ドライバーモニタリングカメラ」も設置。
これはドライバーの急病など異常も検知し、クルマを安全に停止させる機能も備えている。
動画の視聴も可能な自動運転(レベル3)は「トラフィックジャムパイロット」のみだが、従来の運転支援(レベル2)である「ホンダセンシング」も大きく進化している。
一定の条件下でのハンズオフ走行が可能で、ハンズオフのまま車線変更や追い越しも可能。
また、ドライバー操作による車線変更時に後続車との衝突の可能性がある場合には、警報とともに自動でステアリング操作を支援する新機能も追加されている。
ホンダは1980年頃から自動運転の構想を始め、1986年に本格的なプロジェクトをスタートさせた。それから35年で世界初のレベル3市販化を実現したことになる。
社会に役立つ機能をどこよりも早く実用化する。これも「ホンダらしさ」のひとつだろう。
【番外コラム】自動運転レベルの区分けについて
自動運転のレベルは「レベル1」「レベル2」がドライバー主体の運転支援で「レベル2」が部分的な運転自動化を実現したもの(プロパイロットやアイサイトXなど)。
「レベル3」は運転の主体はシステムだがドライバーに交代を要求でき、「レベル4」はシステムで完結するもの。ただし、走行領域は限定的。「レベル5」がすべての限定条件のない完全自動運転となる。
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