■現金払い派向けのローンもある!?
ローン利用者が増えたといっても、依然として現金一括払いでの購入も根強い。そのような“現金払い派”に向けたローンが、“全2回払いローン”。日系ブランドではトヨタやホンダなどで用意されている。
原則残価設定ローンとなるのだが、3年後の残価相当額を支払最終回となる2回目に返済するとし、割賦元金の残金と手数料を初回に払うというもの。現金での精算はもちろん可能であるが、当該車両の返却や同一メーカー車への乗り換えでの精算も可能となっている。
この現金以外の精算方法が用意されることが大きなメリットとなる。
例えば、新車購入のために300万円を用意していたとする。そこで300万円を割賦元金として全2回ローンを組むと、2回目分となる残価相当額分については、現金で精算せずに車両返却や同メーカー車への乗り換え、つまり“代物弁済”のような形が取れるのである。
そして支払わずに済んだ浮いた現金を貯金したり、別の買い物に使うことができるのである。
「もちろん、下取り車があれば下取り査定額でさらに現金負担が減ります。販売する側の私どもとしては浮いた分でグレードや購入車種のアップをしていただいたり、次の新車に乗り換える時の予算の一部としていただけるとありがたいです」(前出セールスマン)。
こちらの利用もコロナ禍になってからは利用が目立っているとのことである。
■言葉のインパクトで勝負!? 購入後一年間金利ゼロとは
日産系ディーラーではここのところ、年度末決算セールなどの“増販期”において、“購入後一年間金利負担実質0キャンペーン”を展開することがある(4月29日成約分から復活している)。対象車種は売れ筋モデルなどに限られるのだが、まずは新車購入に際し一般的な残価設定ローンを組むことになる。
そして、その上で初回支払い月から1年間の“金利相当額”がキャッシュバックされるので、“実質一年間金利負担0“になるのである。
直近の2020事業年度末決算セールでは、2020年12月17日から2021年1月31日まで、一部対象車の成約で適用された。スカイラインで約24万円、セレナあたりで約12万円がキャッシュバックされていた。
なかなかわかりにくいキャンペーンなのだが、販売現場で話を聞くと、「通常金利である4.9%が3.5%ほどに金利が下がったと考えていたければわかりやすい」と説明してくれた。
“金利引き下げセール”とするよりは、“実質金利0”としたほうがインパクトはあるので、このようなキャンペーンになったのではないかと説明してくれた。
新車販売先進国でもあるアメリカでは、各ディーラーが“0%ローン実施中”とうたうのは当たり前なのだが、個人のあらゆる返済履歴が与信対象になる。
しかもその結果により、個人によって、同じモデルの購入を検討していても金利や融資額が変わることもあり、まず金利ゼロで新車を購入することはできないとされている。
「あくまで“人寄せパンダ”として用意されています。金利ゼロは無理でも“審査を少し緩めています”というのを暗示しているといってもいいでしょう。さらにエスカレートすると、“不良債務者大歓迎”などと露骨なメッセージの横断幕を掲げるディーラーもあります」とは事情通。
日本国内において、販売現場で勧める“ディーラーローン”では、審査を通れば、誰でも同じ金利で、希望した割賦元金はそのままOKとなるのが当たり前。そのため、アメリカのように、“金利0%”を掲げるとすべての融資が金利0%になってしまうのである。
日産のこのキャンペーンあたりが、0%金利キャンペーンではギリギリの展開といっていいだろう。
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