■3気筒エンジンは軽自動車のエンジンだ!
これはもう受け止める側のイメージといいますか、感覚の問題といいますか。国内だと軽自動車全般とノートの1.2Lやパッソ/ブーンの1Lなどに3気筒エンジンが搭載されていますが、1.5Lクラス以上では4気筒以上のエンジンが「常識」。
でも、BMW3シリーズに1.5L・直3ターボが搭載されている、と聞けば、ちょっとイメージが変わりますでしょ? 3気筒特有の振動はどうしても出てしまいますが、車体やエンジンマウントでしっかりと抑え込んでいるので、何の不満もないのです。
■DOHCは優れたメカニズムである!
DIHCエンジンにはたしかに緻密な設計が求められ、部品点数も多く、技術的に高級なイメージがありますし、OHVやSOHCが当たり前だった時代、モータースポーツ用エンジンと言えばDOHCでした。
しかし、そもそもDOHC化はそれ自体が目的ではなく、高回転化を実現するための手段だったはず。DOHCだから優れたエンジン、というのではなく、優れたエンジンを作り出すためにDOHC化が必要だった、ということ。
メカニズム的には、市販車の6000rpm程度であればDOHCなど必要なく、SOHCで充分というのが実は「常識」。現代主流のダウンサイズ過給エンジンでは1500rpmあたりで最大トルクを発生し、4000~5000rpmあたりがパワーゾーンというエンジンだったら、実はDOHCである必要はなく、むしろ部品点数が少なく軽量、コンパクトに作れるOHVの方が有利なのでは!? という見方もあるほどなのです。
■ストラットよりもダブルウィッシュボーンが優れたサスペンション?
これ、必ずしも「謝った常識」ということはないのですが、妄信的に「ストラットよりもダブルウィッシュボーンが優れている」と考えるのは、実は間違い。
ストラットサスの最大の特徴はショックアブソーバー自体をサスペンションアームと兼用させて省スペース化を実現している点。このためFFのフロントサスに多用されているワケなんですが、もちろん欠点もあって、斜めにセットされたストラット本体が外力を受け止める構造のため、コーナリング中に横Gで変形しようとする力によりサスペンションの上下動が渋くなる傾向があります。また、サスペンションの上下動によりタイヤのキャンバー角が変化することもあります。
こうした点は欠点にはなりますが、複雑でスペースを大きく取るダブルウィッシュボーンサスに対して決定的に劣っているのか、というと、市販車レベルで大きな差となることはありません。たしかにセットアップの自由度という点ではダブルウィッシュボーンが優れていますが、しっかりと設計されたストラットであれば、上記の欠点は充分にカバーできるのです。
こちらもどうぞ→【いいハンドリングとの関係を紐解く】 “いいサスペンション”って、何だ!?
■ドラムブレーキはディスクブレーキよりも効きが悪い!?
単純なブレーキ力のことだけをいえば、セルフサーボ力が働くドラムブレーキのほうがディスクブレーキよりも実は強力。
しかし、それがゆえに微妙な制動力のコントロールの点でドラムブレーキは難があります。またブレーキシステムがドラム内部に封鎖されているため、放熱性の点でディスクブレーキに劣るのも欠点。連続的にブレーキを使う場面では、放熱性に優れるディスクブレーキがやはり有利。
比較的制動力の負荷が少ない軽量小型車の後輪にドラムブレーキが使用されるケースが多いのですが、特段不都合が生じるということはないからメーカーはそうしているわけで、ドラムブレーキだから性能的に劣ると決めつけてしまうのは、誤った悪しき「常識」だと言っていいでしょう。
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