■もったいない! 無謀なオーバーテイクであえなくスピン
通常、赤旗後は、一度仕切り直してスタンディングスタートになりますが、今回はトラックコンディションのためか、SC先導によるローリングスタートとなりました。
そのフォーメーションラップ中、アルファロメオのキミ・ライコネンが、スリップしてコースオフ。その後ろにいた角田は、自動的に9位に繰り上がりました。さらには、トップを走るフェルスタッペンまで姿勢を崩してスピン。
マックスは、素早くコースに復帰したので、なんとかトップに戻れましたが、歴戦の猛者が簡単にスピンしてしまう状況を見ると、慎重にリスタートしなければいけないことは明白。タイヤは冷えていますし、さらに路面温度は18℃。雨が残っている場所に踏み入れれば、ほとんど氷の上を走っているの同じです。
ところが、レースがリスタートした1ラップ目。角田選手は、なんと目の前にいたハミルトンに対して、いきなりオーバーテイクを仕掛けたのです!角田選手は、レコードライン外の濡れた路面に踏み入れ、途端にグリップを失い、スピン。そのままグラベルへ……。一気に15位まで順位を落としてしまいました。
「ルーキーなのにハミルトンにチャレンジするとはすごい!」と褒めたいところですが、状況を見れば、やはり無謀なオーバーテイクだったと言わざるを得ません。
その後、角田選手は、順位を取り戻そうと必死になって追い上げるも、イモラの厳しいトラックリミットによって、ペナルティも取られてしまいました。結局、角田選手は12位でレース終了。若さゆえの焦りとミス。それが重なってしまったのが、彼にとってのエミリア・ロマーニャGPだったと思います。
■フェルスタッペンが優勝! ホンダ有終の美に一歩近付く
しかし、日本のファンにとってみれば嬉しいニュースも。レッドブルのフェルスタッペンがトップを守り切り、優勝を飾ったのです! 角田選手の活躍ももちろんですが、ファンの一番の願いは、ホンダラストイヤーにホンダPUがチャンピオンを取ること。それに一歩近づいたことがとても嬉しかったです。
角田選手にとっては失敗続きのグランプリで、期待外れだと思った人もいるかもしれませんが、それはまだ時期尚早です!
彼自身も、シーズン前にこう言っていました。「レース前半戦は、様々なチャレンジをしようと思うので、失敗もたくさんするかもしれない。でも、それをしっかり活かして後半戦は追い上げたい」と。
角田選手は、様々な経験を積み上げている途中です。ましてや、今回は絶対王者ハミルトンさえミスをするような状況。レースで生き残れただけでも、まずは御の字だと思います。次戦では、この経験を活かしてさらにひと回り成長した角田選手の活躍に期待しましょう!
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