ライズもフィットもレヴォーグも「ダメ」!!? とってもいいクルマなんだけど“惜しい”クルマたち


■ヤリスクロスはヤリスで得られたよさが…

ウメキ ヤリスから飛び火してヤリスクロスの話もしたい。惜しいのはヤリスで得られたよさが「全部」なくなっている、というね。

ババ そこまで言う!

ウメキ ヤリスがいいので期待していたクルマだけに……ね。

「ヤリスクロスはヤリスで得られたよさが「全部」なくなっている」というウメキ

鈴木 でも、充分合格点ではあるんですよ。

ウメキ ヤリスでいい印象を持っていた乗り心地や“操安”などが、ホイールベースと全長をちょっと伸ばして重くなったら台無しになった、という(笑)。

ババ でも大ヒットしていますよね。トヨタの勝ち、ということなんでしょうね。

鈴木 要するに、同じ値段の食材を無理やり膨らませたぶん、味が悪くなったという感じかな(笑)。ハンバーグ作るのに、“つなぎ”を多めに入れたら味が薄まった、というね。

 だから、ヤリスはギリギリのところであのプラットフォームが理想的にまとまっているんじゃないかなと思う。

ババ 惜しいというかやりすぎと思うのはフィット。5タイプも要りますかね。ホームやクロスターなど3つほどにタイプを絞ればコストダウンになるのでは?

フィットは5タイプでなく2つほどにすれば設定価格を抑えられたのでは??

鈴木 逆に提案型でいきたかったのだと思う。昔は「豊富にオプションがあるので自分好みにしてください」だったけど、今はこちらから提案しないとお客が満足しない時代なんだよね。

 フィットのように数多く売りたいクルマの戦略としてはアリだと思うよ。で、結果的に例えば2タイプだけ売れて、その2タイプでホンダがきちんと利益が出るなら、僕はいいと思う。

ウメキ フィットが出たところで次はノート。残念で惜しいのはなぜe-POWERしかないのと。価格も高くなるし。で、日産のマーケティングのマルチさんという人と話をしたんですよ。

ババ おっ、外国人とトークをしたんですね?

ウメキ いえ(笑)。日本人です。丸地と書くんですよ。それで丸地さんが言うには「販売店でお客様から価格が高いという声が上がるのは想定しています。その場合はデイズなど軽自動車をご案内します」と。……それでいいの? それはもったいないでしょ~。

「e-POWERしかない新型ノート、惜しい。価格が高いと感じたらデイズなどの軽をどうぞ、と。それ失礼じゃない」とウメキは吠える

鈴木 ほかのコンパクトモデルでもっとまともなクルマがあればね。マーチではね~。今さら感があるし、ゴーン時代の負の遺産ですからね。

ウメキ その流れでキックスも惜しい。FFしかないこと。4WDが欲しいユーザーを自ら寄せ付けていないということですからね!

ババ 私の好きなルノーキャプチャーも初代からFFのみですけど?

ウメキ キャプチャーの話は横に置いといて(笑)、日産が久しぶりに出すSUVなのにFFのみ。キックスかヤリスクロスか迷い、4WDが欲しいお客はヤリスクロスへいくでしょう! その段階で商機を逸しているわけだからもったいない。

FFしかないキックス、残念! 4WDが欲しいお客はそっぽを向いてしまう

ババ 4WDを設定するだけだから、出せばいいのに。

鈴木 簡単にいうけど(笑)、膨大なコストがかかるんだから。要するにコストなどがかかわり、面倒くさいことは全部却下になっちゃうのよ、日産は。

ババ 言いますね~(笑)。

ウメキ 日産でいうとスカイラインも残念。ウリのプロパイロット2.0がハイブリッドにしか付かないという。僕もこの業界に長くいるので日産側のさまざまな事情はわかっているけども、普通のユーザー目線でいくとなぜ付かないの? と。

鈴木 日産は、その2.0とかいい物を作る技術はかなり高いけど、それを総合的な戦略として構築していくのが、いまひとつなんだよ……。

「日産はプロパイロット2.0など優れたものを作る技術力は凄い。が、それを総合的な戦略に構築する力がイマイチ」(鈴木)

■レヴォーグは良さが分かりづらい! マツダが格好つけすぎて残念!

ウメキ レヴォーグの評判が今素晴らしいじゃないですか。いいクルマですよ。でも、一番残念なのは「よさがわかりづらい」ところ。

レヴォーグ、例えばインパネにときめきや新しさがないんだよね

鈴木 一般ユーザーがね。

ウメキ “わかりやすいよさ”というのがあるじゃないですか。「一撃でわかるよさ感」がない。

 というのも、雪道テストコースをレヴォーグで走ったことがあり、起伏のある雪道でのハンドリングがめちゃくちゃいい。シャシーがホントよくて足もよく動く。これいいわ~、と思ったんだけど、普通の道ではそのよさがわかりづらいのよ。

鈴木 一般ユーザーが感じるいいもの感はアイサイトX。一見わかりにくいんだけど(笑)、使い込むと、ほほ~と思う。ハンズオフもあるし。

ババ 内装に半歩先をいく新しさやときめきがないですよね。

鈴木 縦型ナビがあるじゃない。

ウメキ その縦型が室内で浮いている感じがする。同じような狙いなら新型ベンツCクラスの完成度を見てくださいよと。センターパネルなどのデザインの新しさ、たるや!

車格は違うが次期ベンツCクラスのような斬新さがあれば

鈴木 先ゆく新しさもわかるけど、スタイルや内装に「やや地方色」が注入されているほうが、レヴォーグのユーザーには刺さるんですよ。

 で、逆にマツダは格好つけすぎているのよ。マツダ3の格好つけは600万円のクルマがすること。内装にあそこまで格好つけすぎて、それで力尽きたらダメでしょ。ほかの部分で手を抜かざるを得ないから。エンジンもシャシーも。これはかなり「惜しい」よ。

マツダ3の内装

ウメキ そのモデルに費やせるコストは決まっているから、内装にお金をかけすぎてほかの部分がイマイチなのよね。

 さて、最後はクラウン、これも惜しいな~。現行型になった時に明らかに……質感が落ちた。インテリアの質感もそうだけど、やはり走りの質感。クラウンならではの滑らかさというか上質さが、現行型で全部なくなったよね。

ババ 正直、先代の走りの残像や感覚がないもので……、違いがわかりません(汗)。

鈴木 僕は現行型にはクラウンの伝統的な味は感じる。ゼロクラウンで欧州モデルを意識して足が硬くなったけど、それ以前は昔からのクラウンユーザーのために、ある種ゆるゆるブワブワの走り味。ゆったりという感覚ね。それ、現行クラウンにも感じますよ。

 でも、「ニュルで鍛えた」と主張しなくていいのに、とも思うんだけど(笑)。

ウメキ どの走りにもっていくのか……という軸がない。中途半端感がありますよ。例えば、BMWの3シリーズの走りにするのか、あるいはベンツのCクラスを目指し、それを上回るドシッとしたクルマになってもいいんですよ。でも、現行型はどれにもなれていない。この中途半端具合が残念だな~ですよ。

クラウンの伝統ともいえる、走りに「鷹揚(おうよう)感」がないのに「この走りにする」という一本筋の通った軸もない。残念……

鈴木 悩みが多いんだろうね、歴史が長すぎて。寂しいけどある意味、その役割を終えている、終えようとしているクルマともいえるから。

ババ だからクラウンSUVの話も持ち出されるわけ、と。

鈴木 そうだね。そろそろ歴史的な役割を終えるという感じなのかもしれないね。

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 ……時には歯に衣着せぬ意見も飛び出した座談会だったが、「惜しい」を「素晴らしい」へと変えたいがための3人の発言なのです。ご容赦ください。今後に期待していますよ~!

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