ミツオカ ロックスターの中古車価格が高騰中!まさかの800万円超えも!!?

■「限定200台」の希少性プレミアムはこのクルマの価値である

 で、ここで議題としたいのは「なぜロックスターの相場はここまで高騰しているのか?」ということと、「今後このプレミアム価格は下がっていくのだろうか?」という2点だ。

 まず最初の「なぜここまで高騰しているのか?」という疑問について。

 これはもう非情に簡単というかシンプルな話で、「カッコよくて魅力的なのに、台数はきわめて少ない」ということで、市場原理の働きによって相場が上がっているのだ。

 C2コルベットの模倣にすぎない――と斬って捨てることもできるミツオカ『ロックスター』だが、それでもやはりこの全体の造形は上手にまとまっており、「模倣でもなんでもいいからコレが欲しい!」と考える人の心に火を点ける力はある、なかなか素敵なデザインだとは言える。

 また、それでいてメカの部分はマツダの現行型ロードスターであるため、本物のC2コルベットと違って故障の泥沼にハマるリスクはきわめて低い。それゆえ、ミツオカ『ロックスター』は(ある種の層にとっては)きわめて魅力的なのだ。

 だが、そのようにカッコよくて魅力的なのに、販売台数はきわめて少ない。

 総数でもわずか200台であり、しかもその200台は一気に生産され、一気にデリバリーされたわけでもない。2019年にまずは50台、そして2020年と2021年にそれぞれ75台ずつ製造され、注文した人にゆっくりデリバリーされていく――というのが、小規模メーカーである光岡自動車が採った方策であり、またそうせざるを得ないのが、小規模メーカーというものである。

 そしてその「限定200台」という枠は、今後も拡大されることがない。

2018年11月29日に都内で『ロックスター』の発表会が行われた時の様子。光岡自動車は「限定生産」を価値と考え増産はしないと断言した
2018年11月29日に都内で『ロックスター』の発表会が行われた時の様子。光岡自動車は「限定生産」を価値と考え増産はしないと断言した

 これは筆者が光岡自動車の担当者から直接聞いたことだが、ミツオカは「注文が殺到しているからといって、ロックスターを200台以上作ることは絶対にありません。お客様は『200台限定』という部分にも価値を感じてご注文していただいたわけです。それなのに『売れたから、やっぱりもっといっぱい作ります』とやってしまったら、それはもうお客様に対する裏切りです。それゆえ、弊社がロックスターを予定数以上に製造することは“絶対に”ありません」と断言している。

 この「限定性」も、ロックスターという商品の相場を押し上げている大きな要因なのだ。

■短期的・中期的なロックスターの中古相場を予測する

 このようなメカニズムによって、469万8000~518万4000円だったミツオカ ロックスターの中古車相場は約800万円まで高騰したわけだが、今後、その相場は下がるのだろうか?

 中古車や株、為替などの未来を長期的に読み切ることなど、誰にもできない。だが、現在ある材料を元に短期的・中期的な予測をするとすれば、ロックスターの中古車相場は「そう簡単には下がらないでしょう」ということになる。

 理由は「人気は高いままなのに、供給量は増えていないから」ということだ。

 まず「人気」については、ミツオカ ロックスターの人気は依然として高い。もちろん一般大衆にあまねく売れるタイプの車ではないため、人気といっても「ごく一部での人気」に過ぎないわけだが、それでもロックスターは高人気商品である。

 一般中古車店に物件が入庫すれば(買う・買わないはさておき)問い合わせが殺到する。そして光岡自動車の公式サイトでも、2020年春頃まではロックスターの中古車情報を配信する「Rock Star 中古車情報 お申し込みフォーム」というのがあったのだが、現在は下げられている。

 このフォームは、ロックスターの完売以降も購入を希望する問い合わせが寄せられ続けたために開設されたもの。このフォームで申し込んでおくと、光岡自動車にロックスターの中古車情報が入り次第、申し込み順に最寄りのミツオカ販売店から連絡が行く――というものだった。

 しかし、「申し込み者が極端に多い割に、肝心の中古車が出てくる気配がまったくない」ということで、光岡自動車はいったんこのフォームをサイトの見えないところに下げてしまったのだ。

 そしてロックスターの中古車=申し込んで納車されたが、何らかの理由で早々に手放された個体は、一般中古車店にもほとんど流れてこない。

 具体的には2021年5月上旬現在、カーセンサーnetに掲載されているのが9台で、グーネットが6台だが、両者でダブっている台数を除いてカウントすると、台数は全国でわずか12台。

 2019年と2020年に製造されたロックスター 125台を分母とするならば、早々に手放したユーザーは(または、そもそも転売目的で購入した者は)1割以下でしかなく、9割以上のユーザーは、ロックスターの2019年および2020年ロットをまったく手放してはいないのだ。

 もちろん、この傾向は今後変化する可能性もある。しかし基本的には「欲しがる人は多いが、良質な売り物の数は少ない」というフェラーリの人気モデルと似たような状況が、ミツオカ『ロックスター』においてもしばらくは続くはずなのだ。

本家のコルベットよりもミツオカ『ロックスター』の存在感が強い。これほどオーナーが所有する満足感が得られる車は10年後もピカピカの極上車であり続ける事だろう
本家のコルベットよりもミツオカ『ロックスター』の存在感が強い。これほどオーナーが所有する満足感が得られる車は10年後もピカピカの極上車であり続ける事だろう

 10年後、ボロくなった中古ロックスターの相場がどうなっているかはわからない。だが少なくとも今後数年間は、おおむね現状ぐらいのプライスか、せいぜい100万円安くなる程度の平均価格を、ロックスターは維持するだろう。

 それが、論理的な結論というか推論である。

【画像ギャラリー】部屋に飾っておきたい美しさ! ミツオカ『ロックスター』を写真でチェック!!

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