ホンダS660の中古車500台以上が2ヵ月で中古車市場から消えた! どこまで高騰する?

■生産終了のアナウンス後、2ヵ月の間に500台以上が中古車市場から消えた

生産終了の告知から2ヵ月で中古車市場でのS660は激減した
生産終了の告知から2ヵ月で中古車市場でのS660は激減した

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 軽オープンカー、ホンダS660の2022年3月で生産終了するとアナウンスされたのが、2021年3月12日のこと。そして3月30日には新車の販売枠が終了したことがアナウンスされた。

 このタイミングでS660は実質的に新車購入ができなくなったということになる。その時点では、S660の中古車は、流通台数は約620台。平均価格は約180万円で推移していた。

 しかも2020年12月から平均価格はほぼ180万円で推移していて、横這いという状況だった。生産終了のアナウンスがされて、まず動き始めたのが中古車の流通台数だ。

 アナウンス直後から減り始め、4月の上旬には400台を割り込み、4月末のゴールデンウィーク前には200台を切ってしまった。5月に入っても減少傾向に歯止めが掛からず、現在の流通台数は約94台(5月19日時点)となんとわずか2ヵ月の間にS660の中古車は500台以上が姿を消してしまったのだ。

 S660の中古車の平均価格は4月の中旬までは値落ち傾向が続き、約174万円まで値落ちが進んでいた。しかし、その価格を底値に一気に値上がりへと転じて、現在の平均価格は約194.7万円まで高騰している。

 なんとわずか1ヵ月足らずで、平均価格が約21万も値上がりしてしまったのだ。平均価100万円台の中古車で約21万円の値上がり幅というのはもう暴騰としか言いようがない状況だ。

 しかも現在でもS660の中古車の流通台数は減少傾向が続いており、値上がり傾向も現在進行形。一体この後いつ落ち着くのかも正直見当が付かない。まさに生産終了のアナウンスがS660中古車狂騒状態を引き起こしてしまったということになる。

■500台のS660は海外へ流出したのか?

2016年10月3日に限定660台、289万円で発売されたS660 MUGEN RA
2016年10月3日に限定660台、289万円で発売されたS660 MUGEN RA

 この短期間で500台という中古車が市場から姿を消すというのは摩訶不思議な現象だ。そこで、知り合いの中古車販売店スタッフに話を聞いてみた。

 関西圏で中古車販売店を営む知り合いに聞いたところ「S660の中古車は生産中止という情報が流れてから、海外で一気に火が付いたようで、香港やイギリスのバイヤーが買い集めているようです」という返事だった。

 そして、海外市場にも精通する知り合いに聞いてみると「私の香港の知り合いは関わっていないと話していましたが、そういった動きはあるかもしれない」という返事が来た。

 確定とは言えないが、香港やイギリスといった海外のバイヤーが、軽オープンカーという今後登場することのないレアなクルマということで、S660の中古車を手に入れて、海外に輸出する可能性が高いようだ。

 これは25年ルールでも当てはまるのだが、1度でも海外に流出してしまったクルマは2度と日本の地に帰って来ることはない、と言われている。

 そうなるとS660の中古車は大量に海外に流出したことで、国内に流通している中古車の流通台数は減少、相場は高騰という最悪の事態は避けられない状況となっているのだ。

 ちょうど、生産終了がアナウンスされた時のS660の中古車の価格帯は約103万~約400万円。その時点でのグレード構成は、αが約480台、βが約55台、モデューロXが約23台。ファーストエディションと呼べるコンセプトエディションとムゲンRAがそれぞれ約14台だった。

 そして、トランスミッションはCVTとMTの比率はほぼ50:50となっていて、価格帯はCVTが約103万~400万円。MT車は約118万~約400万円と若干MT車のほうが高くなっていた。

次ページは : ■価格の安い中古車やMT車が激減!

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