部品代安そうなのになぜ? コンパクトカーにボンネットダンパーが採用されないホントの理由


■<余話>ダンパーには向きがある

ベンツSクラスはさすがにボンネットダンパーが採用されている。単純に高価格帯のクルマだからという理由だけではない

 ダンパーには、正しい向きがある。エンジンフードやリアハッチゲートを閉めたとき、「シリンダー側(筒)が上、ロッド側(棒)が下」になるように設置されている。

 ダンパーが摺動するとき、ロッドはシリンダー内のオイルで潤滑されて滑り出てくる。もしロッド側が下にあると、油膜切れが起こり、滑らかに摺動ができなくなるのだ。

 エンジンフードやリアハッチゲートが開いたときに、逆さまになっているように見える場合もあるが、閉じた時にはきちんとした向きになっている。

 ただしサスペンション用ダンパーの場合は、「シリンダー側(筒)が下、ロッド側(棒)が上」と、先ほどの反対になる(倒立式ダンパーというものもあるが)。

 一般的なストラット式サスペンションのダンパーを想像していただくとよいが、シリンダーはタイヤの傍にあり、ロッドは車体に取り付ける構造となっている。

 サスペンション部品は、エンジンフードやリアハッチゲートと比べて摺動回数が圧倒的に多い。そのため、オイル切れが生じることはほとんどない。

 もし仮に、シリンダーが上側にあると、オイルシール部分からダンパーオイルが漏れる可能性が高くなる。更に、サスペンションには常に汚れや水分などが付着するので、タイヤの傍にロッドがあると傷やダメージを受けやすく、ダンパーの破損につながる。使用環境にとって、ダンパーの向きも考えられているのだ。

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