スズキ カプチーノ購入から29年 2度の廃車危機を乗り越え現在に至る真実とは?【Bestcar Classic オーナーズボイスVOL.5】

■純正部品の入手に苦労していますか?(欠品・製造廃止している部品などご存知でしたら教えてください)

 意外に思われるかもしれませんが、入手には苦労していないんです。その代わり、年1回の価格改定のたびに2割くらい値上がりしているんです。仕方がないとはいえ、困りましたね…。

カプチーノのサイドシルに貼り付けられた”SUZUKI DESIGN”プレート
カプチーノのサイドシルに貼り付けられた”SUZUKI DESIGN”プレート

■愛車の主治医のどのようなお店ですか?(ディーラー or 専門店等)

 ハコスカGT-Rを含め、長年、懇意にしている整備工場に預けています。20代の頃からの付き合いで気心知れているので安心です。

内田さんの運転はとにかくていねいでスムーズ。愛車に優しい運転なのです
内田さんの運転はとにかくていねいでスムーズ。愛車に優しい運転なのです

■これからも乗り続けるご予定ですか?

 「FR+軽自動車スポーツカー」というパッケージが好きなので、代わりになるクルマもないです。10万㎞くらい乗った時、180SXやシルビア(S13型)への乗り換えを考えた時期もありましたが、実際にクルマを観に行くこともありませんでしたし…。おそらくこのまま走れる限り、乗り続けるんでしょうね。

カプチーノの代わりになるクルマなんてありませんよ!と語ってくださった内田さん
カプチーノの代わりになるクルマなんてありませんよ!と語ってくださった内田さん

■未来のオーナーのために購入時のチェックポイントや愛車のウィークポイントを教えてください

 チェックポイントはやはり「ボディの錆」です。古いクルマで、なおかつオープンカーなので、どうしてもトランク・フロア・サイドシルなどに水が溜まっている可能性がありますから。後ろの窓は収納式なので、水抜き穴が詰まっている可能性大です。可能な限りリフトアップして下回りをチェックしてください。

 ウィークポイントは、オープンカーなので仕方ありませんが、ボディ剛性が低いところです。新車で納車された時から、わだちや段差を乗り越えた時にボディのよじれを感じますね。今どきのコペンやS660と比べてはいけません(笑)。

カプチーノの特徴でもあるさまざまなオープンバリエーションゆえ、雨漏りや錆、水抜き穴のチェックは必須です
カプチーノの特徴でもあるさまざまなオープンバリエーションゆえ、雨漏りや錆、水抜き穴のチェックは必須です

■あなたにとって愛車はどんな存在ですか?

 「家族のような存在」ですね。あってあたりまえ、いないと寂しさを感じる存在なんです。30年も一緒に暮らしたら必然的にそうなりますよね。

29年間、使い続けているシフトノブ。テカリが歴史を感じさせます
29年間、使い続けているシフトノブ。テカリが歴史を感じさせます

■取材後記

 内田さんは長年にわたって「ハコスカGT-R」のオーナーでもあり、どちらかというとカプチーノは通勤用、足車とも解釈できるわけです。しかし、内田さんはカプチーノを単なる足車としては見ていないようです。

 1度目は追突され、2度目は水没…。たとえ惚れ込んで購入したクルマでも、2度の廃車の危機を乗り越え、約30年という長きにわたって1台のクルマとの生活(もはや人生)をともにしてきた内田さん。

 毎日、数十kmの距離を走り、信頼できる主治医のところでこまめにメンテナンスを行い、気になる箇所があれば修理・交換を行う……。

 屋根付きガレージで文字どおり箱入り娘として扱われた個体ではなく、実用車として乗られてきたからこその生活傷もあります。しかし、これこそがクルマ本来の姿ともいえるはず。大切に使えば30年くらい優に乗り続けられることを、内田さんが実践し、証明してくれているのです!

カプチーノのカタログももちろん保有
カプチーノのカタログももちろん保有
取材当日は軽自動車スポーツカー仲間も駆けつけてくれました
取材当日は軽自動車スポーツカー仲間も駆けつけてくれました

【画像ギャラリー】「家族のような存在」オーナー内田さんが29年間乗り続けるこだわりの愛車 スズキカプチーノを見る!

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