【国産車離れの原因を探れ】ワタシが輸入車に乗り替えた理由

■【Part 4】“輸入車党”の自動車評論家諸氏「だから輸入車を選んだ!」

 最後は自動車を評価するプロ、自動車評論家のなかでも最近、愛車を輸入車のBMWi3(レンジエクステンダー)に乗り替えた片岡英明氏にまずは聞いてみた。

「ここ最近、2代目フォレスターSTiバージョン、4代目レガシィアウトバック2.5XTとスバルを乗ってきたけど、仕事柄旧車に乗る機会が多くてね。そうなると周囲から、やれ『排ガスをまき散らす』とか言われるものだから、環境に優しいEVを中心に考えたんだよね。そうしたらスバルはステラで進めていたEVは商品化されず、i-MiEVやリーフは好みに合わなかった。

 そこに2014年登場のBMWi3を見て『これしかない!』ってピンときた。自分としては久々の輸入車だけど、個人的にはほぼ満足している。配線とかのきめの細かさは日本車にかなわないけど、ワンペダルドライブも気に入っている。オンボードコンピュータ表示などアップデートを頻繁にやっているのも高評価」

片岡英明氏がそれまでの4代目レガシィアウトバック2.5XTから乗り替えたのがBMW i3だった
片岡英明氏がそれまでの4代目レガシィアウトバック2.5XTから乗り替えたのがBMW i3だった

 最後に、現在は愛車なしだがこよなく輸入車を愛し、マニアックな車種を乗り継いできた(A112アバルト、フィアットリトモ・アバルト130TC、初代フィアットパンダ、プジョー406クーペ、アルピーヌA310、2代目マセラティギブリなどなど)石川真禧照氏のありがたいコメントで締めくくろう。

「輸入車の魅力は、もちろん車種にもよるけど、『安定感が違う』ということに尽きる。ブレーキを含めて大衆車クラスであればあるほど痛感させられる。なぜなら、ドイツでもフランスでも欧州では、大衆車に乗るふつうの人がふつうに130~140km/hといった速度域で走っているのだから。そのあたりの操縦性が“クルマ好き”にも支持される大衆車が続々と生まれてくる理由でもあると思う。それに作り手側の意気込みや意識の高さを感じさせるクルマも多い。確かに値段は張るけどその価値はあるはずだ」

石川真禧照氏が愛車として乗り継いだ欧州車。アウトビアンキA112アバルトなどマニアック
石川真禧照氏が愛車として乗り継いだ欧州車。アウトビアンキA112アバルトなどマニアック

■【番外コラム】国産スポーツ派だった『ベストカー』編集部イイボシの言い分

 RX-8から先代VWゴルフGTIに乗り替えたのは2011年のこと(RX-8以前は初代インテR、NSX、FC型RX-7などを乗り継いだ国産スポーツ派だった)。初めての輸入車で、今も乗り続けている。

 選んだ理由はリアシートにきっちり人が乗れて、走りがしっかりしていて楽しく、一発の速さがあって燃費も悪くないから。こうして並べてみると特別な理由は何ひとつないが、それぞれが高いレベルで実現できているのがゴルフの特徴なのだと思う。

 買い換えの候補にしていたのは先代ルノーメガーヌRS、アルファ159、レガシィS402で全部中古車。それぞれに一長一短あって、結局は在庫車かぎりの大幅値引きで手招きしていたゴルフにフラフラと寄っていったわけなのだが、その選択は正解だった。

 VWゴルフといえば質実剛健な実用車というイメージかもしれないけれど、実は走りがとても楽しいクルマ。ドライバーに刺激を与えるわざとらしさはないのに「きっちり作ったら走りがよくなりました。ま、当然ですよね」といわんばかりなのだ。それはGTIにかぎらず、ふつうのグレードも同じ。

 日本車の同クラスで足りないのは、まさにこの乗り味。競合するメーカーはどこもゴルフをベンチマークにしているはずなのになぜできないのか。それは私のなかの七不思議なのだ。

それまで国産スポーツモデルを乗り継いだ本誌・飯干が選んで納得したのが先代ゴルフGTI
それまで国産スポーツモデルを乗り継いだ本誌・飯干が選んで納得したのが先代ゴルフGTI

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