隠れた佳作!ホンダ エアウェイブがシャトルへ引き継いだもの 【偉大な生産終了車】

■「5ナンバーステーションワゴンとしては」十二分すぎるほどの実力だったが

 ある意味「偉大な5ナンバーステーションワゴン」ではあったはずのホンダ エアウェイブが、鳴かず飛ばずの1代限りで終わってしまった理由。

 それは、直接的にはステーションワゴンブームの終焉=ミニバンの台頭というのがまずはあったでしょう。

 同じようなお金を出して自家用車を買うのであれば、微妙なサイズ感のステーションワゴンだったエアウェイブではなく、ミニバンであるホンダ フリードか、または他社の5ナンバーミニバンにしたい――と考える人が多かったのが、エアウェイブが特に失速した2000年代後半の時代感でした。

 もしくは「もっと小さくて安い、しかし新型になった2代目のフィットで十分だ」と思ったユーザーも多かったかもしれません。

リアビュー。本文で後述されるように多少ずんぐり感のあるフィルムながら、テールゲートガーニッシュとリアコンビランプの上部レンズが一直線に見えるデザインを採用しワイド感を強調するなど、スポーティな外観を目指している
リアビュー。本文で後述されるように多少ずんぐり感のあるフィルムながら、テールゲートガーニッシュとリアコンビランプの上部レンズが一直線に見えるデザインを採用しワイド感を強調するなど、スポーティな外観を目指している

 またエアウェイブは「価格」も、少し高かった可能性はあります。

 もっともベーシックな「G」は車両価格150万円ほどで買えましたが、せっかくこの車を買うなら「スカイルーフ」は付けたいところです。

 で、スカイルーフ付きの上級グレードである「L スカイルーフ」は車両価格約175万円。

 そこにカーナビやらアルミホイールやらを足していくと、普通に210万円を超えるプライスになりました。

 このあたりも、当時の5ナンバーサイズ車としては販売面で苦しくなる要因のひとつだったでしょう。

 しかし、そんなこんなでエアウェイブは消滅したわけですが、その志は消滅していません。

 エアウェイブの志とは――これは筆者の勝手な推測ですが――多少ずんぐりとしたフォルムになってでも、広い車内と荷室であることを重視し、同時に、気持ちの良い走行フィールを持つ車であることも重視することで、「人々の暮らしのための車」として貢献することです。

 その志は――車名は変わりましたし、スカイルーフもなくなりましたが、そして爆発的に売れているわけでは決してないのですが、今なお地味に売れ続けている「ホンダ シャトル」に、確実に引き継がれているように思えます。

ホンダ シャトル。2011年6月登場のフィットシャトルから、2015年5月のフルモデルチェンジの際に車名を変え現行型(2021年6月現在)となった
ホンダ シャトル。2011年6月登場のフィットシャトルから、2015年5月のフルモデルチェンジの際に車名を変え現行型(2021年6月現在)となった

■ホンダ エアウェイブ主要諸元
・全長×全幅×全高:4350mm×1695mm×1515mm
・ホイールベース:2550mm
・車重:1190kg
・エンジン:直列4気筒SOHC、1496cc
・最高出力:110ps/5800rpm
・最大トルク:14.6kgm/400rpm
・燃費:18.0km/L(10・15モード)
・価格:175万3500円(2005年式 L スカイルーフ FF)

【画像ギャラリー】その意志はフィットシャトル、そしてシャトルへ。ホンダ エアウェイブの画像を見る

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